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(No.90) 2013年1月19日号

(No.90) 2013年1月19日号

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No.90【介護福祉士メルマガ】

2013年1月19日

こんにちは、合格オンラインの井上です。

 

昨日に引き続き、【障害の理解】

の中のICFについて考えます。

ICFは(国際生活機能分類)と訳されます。

ちょこっと

歴史をみてみましょう。

国際生活機能分類は、世界保健機関が2001年5月22日の世界保健総会において、国際障害分類(ICIDH)の改訂版として採択、加盟国に勧告しています。健康状態、心身機能、障害の状態を相互影響関係及び独立項目として分類し、当事者の視点による生活の包括的・中立的記述をねらいにする医療基準です。

 

ICF には6つの「単語」が出てきます。

(1)「健康状態」
(2)「心身機能・構造」
(3)「活動」
(4)「参加」
(5)「環境因子」
(6)「個人因子」


具体的な事例

(1)「健康状態」…疾病や体の変調、怪我、妊娠、高齢、ストレスなど様々なものを含む広い概念となっています。「疾病」だけでなく、私たちが普段から関係するような心身の状態まで含まれているのです。「ADHD」「脳性まひ」「低酸素脳症」
「自閉症」などの症状名は、ここに含まれます。

 

(2)「心身機能・構造」…「心身機能」の問題、「身体構造」の問題を指します。感覚の特徴や、体の構造(腕が曲がらないとか)などを指します。

 

(3)「活動」…「活動」とは「行動」を指します。本人が実際に行っている「している行動」、本人が能力的にできそうな行動である「できる行動」にわかれます。

 

(4)「参加」…「参加」は簡単にいうと、社会的参加です。会社へ行く、実社会への参加、学校への参加、学級への参加、家庭への参加…とたくさん本人が「参加」している場面は考えられます。

 

(5)「環境因子」…「物的環境(例えば…道路の構造、階段や段差、建物の構造、交通機関、車いすなどの福祉機器など)」「人的環境(例えば…家族、教師、友人、まわりの人々の障害者に対する意識など)」「制度的な環境(自立支援法などの法律、医療や介護などのサービスなど)」にわけることができます。これら環境によって、「障害」そのものの捉え方が大きく左右されます。

 

(6)「個人因子」…その人の「個性」と考えていいでしょう。例えば、年齢、性別、民族、生活歴、価値観、ライフスタイル、興味関心などです。

 

暮らしにくさや困った状況(=障害がある状況)を本人の障害や機能障害だけ原因があるとせずに、本人を取り囲む人的・物的環境を整え、本人の主体性・主観性(=気持ち)に配慮し、マイナス面よりもプラス面を見ながら、「心身機能」だけでなく、「活動」「参加」に着眼するという、ICFの視点に基づいた支援の考え方を世界保健機関が示しています。

この10年で支援の考え方が、変化していることを認識する必要があるでしょう。

ICFの6つの用語は試験でも出そうですね。

では、明日から問題に入ります。

よい一日をお過ごしください。では、またあした・・・

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