第12回 問題1
【問題1】介護保険制度以前の高齢者保健福祉サービスについて、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 特別養護老人ホームの入所に係る利用者負担(費用徴収)は、所得に応じたものとなっていた。
2 老人福祉サービスの措置による利用は、「反射的利益」に過ぎないと解されていた。
3 特別養護老人ホームの利用者負担(費用徴収)が中高所得者層にとって病院よりも重かったことも、社会的入院の一因になっていた。
4 特別養護老人ホームの整備が進んだ結果、医療ニーズの高い高齢者が特別養護老人ホームに措置されてしまった。
5 特別養護老人ホームへの入所は措置であったため、著しい高所得者は入所資格がなかった。
【用語解説】
●特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
家族事情により、介護ができない場合や、介護者の高齢や療養中などの理由により自宅での介護が難しい方のために、家族に代わって食事や入浴など日常生活の介護や健康管理を行う。
介護認定で、要介護1以上が利用可。
●措置
福祉に関する措置制度のことで、行政(措置権者)がその公的責任において、サービス提供内容、費用負担等を決定して、サービス利用者に給付する行政処分を意味する。介護保険制度では、原則として、サービス利用者(被保険者)とサービス事業者の関係は「契約」に基づくが、一部に要介護認定の申請・契約利用等が困難な者などには、行政機関による措置の方法が残されている。
●反射的利益
行政法規が公益上の見地から、行政主体に対してサービス利用の決定、却下を命じている場合、福祉サービス利用希望者の利益は、法律が直接に保護する利益ではないため、たとえサービスが利用できなくても、責任は発生しないことになる。サービス利用が認められた場合は、利用者の利益となる。この利益の事を言う。(法的に保護された利益ではないが、行政処分の結果、利益を得る事ができこと。)
※問題文、「措置」を基にした説明となります。
【解説】
【解答】1,2,3