介護支援専門員、ケアマネ

第15回 問題42


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【問題42】認知症について適切なものはどれか。3つ選べ。

1 若年性認知症では、作業能率の低下など実行機能の障害が引き起こす諸症状が先行することが少なくない。

2 若年性認知症者が入院による精神医療を継続的に必要とする場合には、自立支援医療の対象となり、健康保険の自己負担が軽減される。

3 若年性認知症である介護保険の第2号被保険者であっても、市町村が必要と認めた場合には、障害福祉サービスの利用が可能である。

4 養護者により虐待を受けたと思われる認知症高齢者を発見した者は、高齢者本人の意思確認ができないときは、そのまま経過を観察する。

5 認知症地域支援推進員は、市町村や地域包括支援センターに配置され、家族等からの認知症に関する総合相談に応じ、コーディネーターの役割を担う。


【用語解説】

●若年性認知症
若年性認知症とは、65歳未満で発症する認知症※を言います。アルツハイマー病が70歳で発症すれば老年発症型アルツハイマー病、60 歳で発症すれば若年発症型アルツハイマー病と呼びますが、両者の間に病理学的な違いがあるわけではありません。しかし、若年性認知症は、高齢で発症する認知症とは異なる様々な社会的、家庭的問題を引き起こします。就労に関する問題は、その最たるものです。
※認知症
認知症とは、脳の疾患により、記憶、思考、見当識(時間・場所等の感覚)、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む認知機能の低下した状態をいいます。意識の混濁はなく、認知機能の障害は通常、慢性、進行性で、情動の統制、社会行動あるいは動機づけの低下を伴います。臨床的には、これらの症状が、日常生活を損なう程度に達した状態が6カ月以上続いたときに、認知症の診断が考慮されます。従って、認知症は複数の症状を呈している状態であって疾患名ではありません。
認知症を引き起こす原因疾患には、① 脳出血、脳梗塞、脳動脈硬化のような血管病変、② アルツハイマー病(P.6)、レビー小体病(P.7)、前頭側頭葉変性症のような脳細胞の変性疾患)、③ 梅毒、AIDS 等の感染症、④ 頭部外傷、⑤ 薬物中毒などがあります。

●第2号被保険者
介護保険制度の被保険者は40歳以上。被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の第2号被保険者とに分類される。

●認知症地域支援推進員
認知症になっても住み慣れた地域で生活を継続できるよう、認知症の人への効果的な支援を行う。


●地域包括支援センター
地域包括支援センターは、公正・中立な立場から、
(1)総合相談支援
(2)虐待の早期発見・防止などの権利擁護
(3)包括的・継続的ケアマネジメント支援
(4)介護予防ケアマネジメント
という4つの機能を担う地域の中核機関です。

運営主体:市町村、在宅介護支援センターの運営法人(社会福祉法人、医療法人等)その他市町村から委託を受けた法人
職員体制:保健師(又は地域ケアに経験のある看護師)、主任介護支援専門員、社会福祉士の3つの専門職種又はこれらに準ずる者

 【解説】

【解答】1, 3, 5


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