介護支援専門員、ケアマネ

第13回 問題26

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【問題26】リハビリテーションの実際について適切なものはどれか。3つ選べ。

1 安定した歩行を獲得するためには、理学療法士等と連携し、適切な歩行補助具を活用するとよい。

2 自助具は、日常生活の多くの場面で自立を促すが、調理の際に使用するのは避けたほうがよい。

3 車椅子座位耐性が十分な場合は、生活圏の拡大ばかりでなく、精神的な援助にもつながるため、外出の機会を持つことが望ましい。

4 歩行が不可能な者のリハビリテーションでは、環境整備を含めた生活支援が重要であり、関節可動域訓練や筋力増強訓練はなるべく実施しないほうがよい。

5 片麻痺のある者が乗車する場合には、健側から乗るとよい。

【用語解説】

●理学療法士
ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。治療や支援の内容については、理学療法士が対象者ひとりひとりについて医学的・社会的視点から身体能力や生活環境等を十分に評価し、それぞれの目標に向けて適切なプログラムを作成します。

●自助具
身体の不自由な人が日常の生活動作をより便利に、より容易にできるように工夫された道具です。英語では「Self – help devices」(自らを助ける機器)といい、日本語でも英語でも文字どおりの意味です。

●座位耐性
椅子などに座り、上半身をほぼ垂直にした状態でも長時間保てること

【解説】

問題 26【易しい問題】

第12回本試験医療分野のトップバッターを飾ったのは、【RE-HABILIS-ATION】の意をもつ、リハビリテーションでした。人間がふさわしくない状態に陥ったときに、それを再びふさわしい状態に戻すこととも訳されています。

近年の本試験では、訪問リハビリテーションやデイケアにその座を奪われていましたが、今回、みごと主役奪回といったところですね。

2009年の報酬改定においても、リハビリテーションに関する、さまざまな【加算】が新設されています。今年の試験には登場しませんでしたが、ケアマネージャーとして活躍を始めれば必須知識。

14回本試験を目指す受験生さんは、こちらも合わせて学習しておくと医療系サービスでの得点にもつながりますので、おすすめです。

さて、試験出題範囲としては下記の3つがあげられています。学習する際は、やはりこれらの趣旨に沿うことが基本中の基本です。

◆ リハビリテーションの考え方

◆ リハビリテーションの基礎知識

◆ リハビリテーションの実際(訓練と援助)

お持ちであれば、【18年度試験の問題29】をご確認ください。今回の問題に通じるようなパターンで出題されており、傾向をつかむヒントになるとおもいます。

1○ 【5訂 第3巻104P】

設問のとおりです。

福祉用具は利用者の種々の条件に応じて適切に選択し、調節して使用しなければなりません。

利用者の身体機能をはじめてとしてケアプランで実現しようとする目標に合わせて、たくさんの機種から適切な選択をするためには、専門職との連携が必須となります。

2× 【5訂 第3巻104~105P】

健康で働き盛りのわれわれは、気づきにくいのですが調理における姿勢や上肢、指の動きは実に複雑です。けれど、利き手に麻痺が残ったり、長時間の立位がむずかしくなったりした場合でも、すぐにあきらめず、リハビリの専門家との連携で、【自助具の活用】をぜひとも試みたいところです。堅い野菜はレンジでチンしてから切ったり、皮をむく。調理器具も一工夫で俄然、使いやすくなります。包丁のグリップも滑りにくいものをチョイス。キッチンの動線や座位での調理を視野に入れた環境整備もナイスなご提案をしたいですね。

3○ 【5訂 第3巻98P】

設問のとおりです。

4× 【5訂 第3巻96P】

歩けない状態にある人への援助は原則として、廃用症候群の予防、関節可動域や筋力の維持、離床、座位生活などが基本とされます。

5○ 【5訂 第3巻106P】

設問のとおりです。

では、片麻痺の人がバスに乗る場合は?

①健側上肢で手すりを握る → ②健側下肢をステップに上げる → ③患側下肢を上げ一段ずつ②と③を繰り返すですね。

オンライン模試Ver.3.2にも、登場していましたね。

【解答】1,3,5

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