第15回 問題41
【問題41】次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。
1 心筋梗塞では、前胸部痛が主症状のことが多いが、左肩の痛みを訴えることもある。
2 老年期のうつ病では、若年期のうつ病と比較し、頭痛や肩こりなどの身体症状を訴えることは少ない。
3 高齢者がかかりやすい睡眠障害のうち、睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群などは、専門的な診断が必要である。
4 薬剤性パーキンソン症候群は、抗精神病薬、一部の胃腸薬などの服用で起こり得る。
5 パーキンソン病が進行し、自立歩行が困難となった場合には、運動療法は行わない。
【用語解説】
●心筋梗塞
冠状動脈の内腔がふさがって血流が途絶え、その血流で養われていた心筋の部分の組織が壊れて死んでしまう状態をいう。死んでしまった心筋は元に戻らない。
冠状動脈※1の動脈硬化※2が進み、心筋の壊死がおこります。致命率20%~40%といわれている。
※1 冠状動脈
休みなく働き続ける心臓に酸素や栄養分などを送る血管。心臓から出た動脈から最初に分岐する動脈で、大動脈弁の付け根のすぐ下流で左右に1本ずつ出ている。
※2 動脈硬化
酸素と栄養を豊富に含んだ血液を全身に配るパイプの役割をしている動脈の内腔が狭くなったり、変質して弾力性が失われ、血液が流れにくくなる状態をいう。
●レストレスレッグス症候群
一般的に「むずむず脚症候群」とも呼ばれており、下肢にむずむずとした不快感や痛みなどの耐え難い不快な感覚が起こることで、下肢を動かさずにはいられなくなり、その結果、不眠をはじめ日常生活に大きな影響を及ぼす神経疾患です。これらの症状は、通常、横になっている時や座っている時などの安静時に悪化し、動いている時には一時的に緩和されます。
●薬剤性パーキンソン症候群
パーキンソン病※と同じような症状を示す病態をパーキンソニズム(パーキンソン症候群)と呼び、そのうち、医薬品の副作用としてパーキンソン症状が現れるものを薬剤性パーキンソニズムといいます。パーキンソン病とは、体内のドーパミンという物質が不足して起きる病気で、一部の胃腸薬や抗精神病薬などの中には、このドーパミンの作用を弱めるものがあり、パーキンソン病と同じ症状を引き起こすことがあります。また、パーキンソン病の方の症状を悪化させる場合もあります。
※パーキンソンという医師が発見したので、その名前が病名となっています。
【解説】
【解答】1, 3, 4