介護支援専門員、ケアマネ

第13回 問題40

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【問題40】在宅での医療管理に関する次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 胃ろうからの経管栄養食の投与は、胃食道逆流の恐れはないため、水平に臥床した状態で実施する。

2 慢性閉塞性肺疾患等により動脈血炭酸ガスが上昇しやすい患者では、安易に酸素吸入量を増やすと炭酸ガス貯留を助長する恐れがある。

3 尿路感染症を繰り返す要介護者については、尿道留置カテーテルをその原因として考慮する。

4 人工呼吸器を装着している場合には、外出は不可能であり、在宅での安静を要する。

5 在宅酸素療法で用いる酸素供給器は、旅行先で利用できる場合もある。

【用語解説】

●胃ろう
PEG(ペグ)とは、内視鏡を使って「おなかに小さな口」をつくる手術のことです。
つくられたおなかの口を「胃瘻(胃ろう)」言い、また、取り付けられた器具を、「胃ろうカテーテル」といいます。(カテーテル=管、チューブ)
口から食事のとれない方や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい方に、直接胃に栄養を入れる栄養投与の方法。

●臥床(がしょう)
床につくこと。寝ること。

●慢性閉塞性肺疾患
慢性気管支炎や肺気腫などにより慢性的に気道が閉塞し肺への空気の流れが悪くなる病気の総称。
代表的な症状は息切れです。

●動脈血炭酸ガス
血液は毛細血管を通る間に肺胞から酸素を受け取り、肺胞の中へ炭酸ガスを捨てます。これが血液ガス交換の仕組みです。
肺炎や胸膜炎が起こると、このガス交換に支障をきたして、血液中の酸素や炭酸ガスなどの濃度が適正でなくなってしまうことがあります。

●尿路感染症
尿の通る経路で起こる感染症。
腎臓で作られた尿は、基本的は無菌です。しかし、尿には細菌やウイルスが増えるための細胞や栄養が含まれているために増殖しやすく、また、血液から細菌やウイルスが侵入し、尿の中に侵入し、増殖します。

尿路感染症は重症度や症状の違いなどから、上部尿路感染症と下部尿路感染症に分類されています。

●在宅酸素療法
自宅に酸素供給機を設置し、必要時や24時間、酸素吸入をする事。費用については健康保険が適応されます。

【解説】

問題 40【易しい問題】

試験出題範囲にあるすべての在宅医療機器の操作方法を熟知して、装着した利用者さんの介護に関わったことがある受験生さんはおそらく、ごくごく少数派。ほとんどの受験生さんは、どれも見たことないぞおおおおお・・・だとおもいます。14回受験をご予定であれば、大型本屋さんでの医療関連書籍チェック、インターネットからの画像のプリントアウト、パンフレット入手などなど。御家族や職場の方のおちからもお借りして、あらゆる手を駆使したいところ。

どうぞ、ご自分の知識がいきいきとしたものとなるよう、学習にのぞんでくださいね。在宅医療器具関連の問題は、ほぼ100パーセントの確率で、14回本試験にも出題が予想されますので!!

1× 【5訂 第3巻211~212P】

在宅成分栄養経管栄養法は、腸管機能障害などの原因により、経口摂取ができない人、あるいは、経口摂取が著しく困難な人について、在宅において実施される栄養法です。経鼻、経腸、胃ろう、または、食道ろうからの経管栄養法があります。胃ろうからの経管栄養では、胃食道逆流に十分な注意が必要です。食道の廃用などが原因の1つとされています。流動食注入時の注意点の1つとして、患者さんの体位があります。可能であれば、からだを起こしてファーラー位(半座位)か、セミファーラー位とします。

2○ 【解説参照】

チラ見しただけで、難問オーラに思わずスルーしたくなる設問ですが・・・。

★慢性閉塞性肺疾患 → ★呼吸不全→ ★HOT(在宅酸素療法)。

あたまの中に、この図が浮かべばOK。『酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する』、これが呼吸の仕組みですよね。けれど、肺や気管支の働きが十分でない場合には、当然に呼吸活動も不十分になります。酸素が足りないことを感知した脳からは、もっとしっかり呼吸をするようにとの指令がでます。それでも指令に応えられず、【 動脈血の中の酸素が不足している状態 】、これが呼吸不全です。では、呼吸不全になったら、思いっきり酸素を吸入すればいいのかというと、これがそうではないのですね。呼吸機能が低下した人では、急激に酸素を吸入すると逆に呼吸抑制が起こってしまう可能性が高いのです。(酸素を吸ったのに呼吸できなくなるなんて・・・)動脈血炭酸ガス分圧が上昇しやすい患者は、上記のようにCO2ナルコーシスを生じる危険があるため、慎重に酸素の吸入量を設定する必要があります。炭酸ガス血症による意識障害を、CO2(炭酸ガス)ナルコーシスと呼びます。

3○ 【5訂 第3巻218P】

設問のとおりです。

膀胱留置カテーテルの使用は感染症のリスクを高めます。

4× 【5訂 第3巻214~215P】

いきなり? な感じの設問ですが、実は過去の本試験にも登場した問題ですね。20年、問題 30の設問4に、登場しています。個々のケースの可能性に着目すべきでしょう。ケアマネージャーの御仕事は、あらゆる可能性を探ることでもあります。そんなの無理、無理とケアマネージャーが先に言っちゃっては、何も進みません。時には熱く燃える鉄のハートで、チームを引っ張ってゆきたいところです。

5○ 【5訂 第3巻208P】

設問のとおりです。

【解答】2,3,5

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