第13回 問題22
【問題22】施設サービス計画について正しいものはどれか。2つ選べ。
1 施設サービス計画は、入所者が認知症の場合には、本人ではなく家族に交付する。
2 総合的な援助の方針は、利用者と介護支援専門員の両者で相談して記載する。
3 長期及び短期目標は、実際に解決可能と見込まれるものを設定する。
4 サービス内容に掲げたサービスを実施する期間を設定するときは、認定の有効期間も考慮する。
5 サービス内容の記載に当たっては、施設内の介護保険給付対象サービスに絞って記載する。
【用語解説】
●施設サービス計画
介護保険施設に入所している要介護者一人一人について、ケアマネジャーが作成した、施設が提供するサービスの内容や種類、担当者などを定めたケアプランのこと。介護保健施設では、この施設サービス計画に基づいてサービスの提供を行います。
●認知症
脳の疾患により、記憶、思考、見当識(時間・場所等の感覚)、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む認知機能の低下した状態をいいます。意識の混濁はなく、認知機能の障害は通常、慢性、進行性で、情動の統制、社会行動あるいは動機づけの低下を伴います。臨床的には、これらの症状が、日常生活を損なう程度に達した状態が6カ月以上続いたときに、認知症の診断が考慮されます。従って、認知症は複数の症状を呈している状態であって疾患名ではありません。
認知症を引き起こす原因疾患には、1 脳出血、脳梗塞、脳動脈硬化のような血管病変、2 アルツハイマー病、レビー小体病、前頭側頭葉変性症のような脳細胞の変性疾患)、3 梅毒、AIDS 等の感染症、4 頭部外傷、5 薬物中毒などがあります。
【解説】
問題 22【合否を分けそうな問題】
施設サービス計画書の標準洋式及び記載要領に施設サービス計画一式、すなわちどのような書類があるのかが記載されています。施設でケアマネをされる方だけが必要な知識になります。
第1表 【施設サービス計画書(1)】
第2表 【施設サービス計画書(2)】
第3表 【週間サービス計画表】
第4表 【日課計画表】
第5表 【サービス担当者会議の要点】
第6表 【施設介護支援経過】
上記書類一式に関する問題です。4巻328に具体的な書式が掲載されています。
1× 【5訂 第4巻457P】
介護保険3施設の運営基準すなわち
【指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準】
介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準】
指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準】
上記3つの施設サービス計画の作成 運営基準だ12条に【入所者に交付しなければならない。】と記載されています。認知症=すべての判断の判断能力がない。というわけではありません。
2× 【5訂 第4巻334P】
設問のとおりです。
運営基準第12条に記載されています。
3○ 【5訂 第4巻334P】
施設サービス計画書の標準洋式及び記載要領の第2表に説明があります。
4○ 【5訂 第4巻335P】
施設サービス計画書の標準洋式及び記載要領の第2表に説明があります。
これについては、試験に合格して、施設サービス計画作成方法を実務研修で習い、そこで習得すべき知識であり、このレベルの内容を試験に出題することは、不適当でしょう。
もし問題作成機関が【この選択肢3を出題しても可とする】という見識であれば、問題8の【指定介護サービス提供事業者】を出題はおかしいとなるはずです。選択肢3は、【介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について】という厚生労働省が通知した文書に記載があり、細かいところでも出題しても可であるという判断はありうるでしょうが、問題8については、国家が認めていない文言【指定介護サービス提供事業者】はどうして出題していいのか大きな矛盾が生じます。また昨年や過去の間違えている問題を試験機関は放置しつづけるのでしょうか?12月10日の対応で明らかになると思われます。
選択肢3を具体的に学習されている受験生はいないでしょう。消去法で解答された受験生が多いと思われます。
この試験の本質を考えるとクオリティの低い問題なので、受験生は深く悩む必要はないでしょう。
5× 【5訂 第4巻335P】
運営基準第十二条(施設サービス計画の作成)
2 施設サービス計画に関する業務を担当する介護支援専門員(以下「計画担当介護支援専門員」という。)は、施設サービス計画の作成に当たっては、入所者の日常生活全般を支援する観点から、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて施設サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。
【解答】3,4