介護支援専門員、ケアマネ

第15回 問題35


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【問題35】次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1 胃ろう部にスキントラブルのない療養者は、胃ろう部をドレッシング材で被わずに、胃ろう周囲を石けんで洗うことも、浴槽に入ることもできる。

2 嚥下障害の初期症状を認めたら、誤嚥性肺炎や低栄養を予防するため、直ちに経管栄養チューブや胃ろうに切り替え、必要栄養摂取量の確保を行う。

3 胃ろうから栄養補給している療養者でも、摂食・嚥下機能をアセスメントして経口摂取が可能な場合には、経口移行計画を作成し、それに基づき経口摂取を進める。

4 尿道留置カテーテルによる尿路感染を予防するため、日常的に膀胱洗浄を行う。

5 尿道留置カテーテルの蓄尿バッグについては、移乗時に膀胱より高い位置になって逆流が起こらないよう留意しなければならない。


【用語解説】

●胃ろう(PEG)
PEG(ペグ)とは、内視鏡を使って「おなかに小さな口」をつくる手術のことです。
つくられたおなかの口を「胃瘻(胃ろう)」言い、また、取り付けられた器具を、「胃ろうカテーテル」といいます。(カテーテル=管、チューブ)
口から食事のとれない方や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい方に、直接胃に栄養を入れる栄養投与の方法。

●スキントラブル
胃瘻周囲の皮膚トラブルと対処方法
固定板と皮膚は直接接しているので、汗や栄養剤の漏れなどで汚れやすく、そのままにしておくと以下のような皮膚トラブルを起こします。
・瘻孔周囲炎:胃瘻の周りが赤くなったり、腫れたりします。
・瘻孔壊死:瘻孔周囲炎が悪化したり、胃内固定板と体外固定板がきつく、胃瘻を圧迫して血流が悪くなると、胃瘻の周囲が薄い黄色になります。さらに悪化すると、黒色になります。
・感染:胃瘻の周りが赤く腫れるだけでなく、痛くなり、熱がでます。
・ふやけ:胃瘻周囲の皮膚がふやけた状態をいいます。原因としては、入浴時にフィルム材で長時間覆ったり、汗や栄養剤が漏れて湿った状態が続く場合などがあります。

●ドレッシング材
傷を保護するために巻いたり覆ったりするものを総じて「ドレッシング材」と呼びます。


●嚥下(えんげ)障害
外部から水分や食物を口に送り込み咽頭と食道を経て胃に送り込む『嚥下』という運動のいずれかに異常が起こることを嚥下障害といいます。嚥下障害になると食物を摂取できなくなり脱水症や栄養不良を起こしたり、食物が気道に入ってしまう誤嚥を起こすことで肺炎や窒息などの身体に重大な影響を引き起こすこともある。

●誤嚥性肺炎
細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎。高齢者に多く発症し、再発を繰り返す特徴がある。再発を繰り返すと耐性菌が発生して抗生物質治療に抵抗性を持つため、優れた抗生物質が開発された現在でも、多くの高齢者が死亡する原因となる。

●尿道留置カテーテル
外尿道口から膀胱内までカテーテルを挿入したもの。

【解説】

【解答】1, 3, 5


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