介護支援専門員、ケアマネ

第14回 問題2

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【問題2】介護保険に関する次の記述のうち正しいのはどれか。3つ選べ。

1 養護老人ホームは、住所地特例対象施設に含まれる。

2 住所地特例対象施設に入所し、住所を変更した被保険者は、当該施設が所在する市町村に住所地特例適用届を提出する。

3 地域密着型介護老人福祉施設は、平成17年の法改正により住所地特例対象施設から除外された。

4 第2号被保険者は、要介護・要支援認定を申請していなくても、被保険者証の交付を求めることができる。

5 日本に住所を有しない海外長期滞在者は、日本国籍があれば被保険者証の交付を求めることができる。

【用語解説】

●養護老人ホーム
養護老人ホームの設備及び運営に関する基準
(基本方針)
第二条  養護老人ホームは、入所者の処遇に関する計画(以下「処遇計画」という。)に基づき、社会復帰の促進及び自立のために必要な指導及び訓練その他の援助を行うことにより、入所者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるようにすることを目指すものでなければならない。
2  養護老人ホームは、入所者の意思及び人格を尊重し、常にその者の立場に立つて処遇を行うように努めなければならない。
3  養護老人ホームは、明るく家庭的な雰囲気を有し、地域や家庭との結び付きを重視した運営を行い、社会福祉事業に関する熱意及び能力を有する職員による適切な処遇に努めるとともに、市町村(特別区を含む。以下同じ。)、老人の福祉を増進することを目的とする事業を行う者その他の保健医療サービス又は福祉サービスを提供する者との密接な連携に努めなければならない。

養護老人ホームは特別養護老人ホームと違い、介護保険施設ではない。
行政による措置施設であり、入居の申し込みは一般的には養護老人ホームの施設に直接申込みをするのではなく、施設を管理している市町村に対して行います。

●住所地特例対象施設
現在お住まいの市町村から他の市町村の介護保険施設等に入所し、住所を施設所在地に変更した場合に、従来居住していた(住所変更前の)市町村を保険者として、引き続き被保険者証を利用していただくことになります。これを「住所地特例」といいます。
・住所地特例対象施設
介護保険施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設)
養護老人ホーム
特定施設(有料老人ホーム、軽費老人ホーム)
(注) 地域密着型は住所地特例の対象外。

●住所地特例適用届
市外の介護保険施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、療養型医療施設等)に転出し、施設に住民票を異動した場合でも、引き続き住所変更前の市町村が被保険者となります。この場合を住所地特例といい届出が必要となります。
・市外の介護保険施設に入所・入院するために転出した場合
必要なもの(•介護保険住所地特例適用届、•被保険者証)
・市外の介護保険施設から転入した場合
必要なもの(介護保険住所地特例終了届、被保険者証)

●地域密着型介護老人福祉施設
入居定員が29人以下の特別養護老人ホームを指します。
2005年の介護保健制度改正により、2006年から新設された地域密着型サービスの新規介護サービスとして、介護老人福祉施設入居者生活介護から独立しました。

●第2号被保険者
介護保険制度の被保険者は40歳以上。被保険者は、65歳以上の第1号被保険者と、40歳以上65歳未満の第2号被保険者とに分類される。

【解説】 

問題 2【難しい問題】

問題2は難しい問題です。正解率もかなり低い問題であり、合格者でも得点できていない場合が多いでしょう。試験出題範囲でいうと【被保険者】に関連する問題であり、選択肢一つ一つの知識の幅が広くなっており、被保険者についてきちんと体系立てて学習していないと得点しにくい問題です。

1○ 【5訂 第1巻56-57P】

設問のとおりです。

住所地特例施設について学習を完了し、暗記されている方は○を選択できたと思われます。

ちなみに住所地特例施設は、

①介護保険施設

②特定施設

③養護老人ホーム

過去問を解き、住所地特例施設の意味を理解していることが大切でしょう。選択肢は素直な選択肢となっています。

2× 【5訂 第1巻75P】

保険者に対して届け出をしますので、施設のある市町村は保険者となりません。よって被保険者の管理もしません。なので×を選択と考えます。施設勤務の介護支援専門員の方は知っておくべき知識になるでしょう。住所地特例については、保険者と被保険者の関係を理解しておくとよいでしょう。

3○ 【5訂 第1巻58P】

設問のとおりです。

この選択肢をみて、主語が変だなーーーーと感じて×とされた方は、かなり優秀だと思いますし、ものすごい努力をされていることでしょう。正確には【介護老人福祉施設の中の小規模特別養護老人ホーム】で17年以降に地域密着型介護老人福祉施設を名のる施設は、住所地対象施設から除外された。と表現するのが正しい文脈になります。

設問のように主語を【地域密着型介護老人福祉施設】にしてしまうと、平成16年には、【地域密着型老人福祉施設】は存在しなかったと解釈判断してしまい、×とされた受験生もおられるでしょう。消去法で、3を○として考えざるをえない、ミステリーな問題です。

4○ 【5訂 第1巻58P】

設問のとおりです。65歳未満の方は保険料を納付していますが、被保険者証は手元にありません。事務コスト節約のため・・・・

5× 【5訂 第1巻52P】

住所地主義なので、住所がなければ被保険者になれません。選択肢25を×として、のこりの選択肢134を深読みをせず、○とされた方は得点になり、深読みをされた方は、迷いに迷われたと思います。

【解答】1, 3, 4

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