第26回 応用力問題(10問)

kyukei


次の文を読み《問191》、《問192》に答えよ。 

正常高値血圧の40~69歳の男性40名(降圧薬は服薬していない)を対象として、8週間の減塩教室を行った。教室開始前と終了後の血圧(収縮期血圧)を1 回ずつ測定し、比較した。その結果、教室終了後の血圧が有意確率(危険率) 5 %で判断して、有意に低下した。
問191 統計学的な解釈である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)この減塩教室後に血圧が低下したという結果が偶然である確率は、5%未満である。 
(2)参加者のうち、38名は血圧が低下したが、2名は低下しなかった。 
(3)参加者のうち、2名が降圧薬を必要とする状態となった。 
(4)他の集団で、この教室で用いた減塩プログラムを行うと、血圧が5%低下すると予想される。 
(5)他の集団で、この教室で用いた減塩プログラムを行うと、95%の確率で同じ結果が得られる。 

問192 この教室で用いた減塩プログラムの効果を、より適切に評価するための方策である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 

(1)減塩指導を行わない群を設定する。 
(2)ランダム化比較対照試験(RCT)を行う。 
(3)途中で脱落した人を解析対象から除外する。 
(4)教室開始前と終了後に行う血圧測定を1回から2回に増やす。 
(5)複数の集団において同様のことを試す。 

次の文を読み《問193》、《問194》に答えよ。 

63歳、女性。週3回血液透析を受けている。身長158cm、ドライウエイト52kg(標準体重55kg)、血圧160/92mmHg、無尿、透析間体重増加量は中2日で3.0kg。透析前の血液検査では、血清クレアチニン値9.1mg/dL、血中尿素窒素値86mg/dL、血清カリウム値5.5mEq/L、血清リン値6.0mg/dLであった。 

問193 血液透析による血漿中からの物質の除去に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)カリウムは、カルシウムより除去されやすい。 
(2)鉄は、リンより除去されやすい。 
(3)ビタミンAは、葉酸よりも除去されやすい。 
(4)遊離脂肪酸は、アミノ酸より除去されやすい。 
(5)IgM(γ1マクログロブリン)は、β2ミクログロブリンより除去されやすい。 

問194 食事指導時に目標とする栄養素量等である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)たんぱく質量 40g/日  (2)リン量 1, 200mg/日  (3)カリウム量 1,400mg/日 
(4)食塩量 10g/日  (5)飲水量 1,300mL/日 

次の文を読み《問195》、《問196》に答えよ。 
下表は、日本食品標準成分表2010からの抜粋である。 
応用力問題 
可食部100g当たり 

問195 レチノール当量(μg)を求める式である。[   ]に入る数字として正しいものの組合せはどれか。1つ選べ。 

レチノール当量(μg)= レチノール(μg)×[ a ] 
           +α-カロテン(μg)×[ b ] 
           +β-カロテン(μg)×[ c ] 
           +β-クリプトキサンチン(μg)×[ d ] 

   a    b    c     d 
(1)1/2—1/6—-1/6—-1/12 
(2)1/2—1/6—-1/12—1/24 
(3)1—–1/12—1/24—1/24 
(4)1—–1/24—1/24—1/12 
(5)1—–1/24—1/12—1/24 

問196 図はにんじんのグラッセ(にんじんの純使用量50g/食)の調理工程である。にんじんから摂取の期待できる1食当たりのビタミンA量を有効数字2桁で示した。正しいのはどれか。1つ選べ。 
なお、調理による重量変化率は、にんじん皮つきゆで90%、にんじん皮むきゆで87%である。
応用力問題図 にんじんのグラッセの調理工程 

(1)4,100μg  (2)3,700μg  (3)360μg  (4)330μg  (5)310μg 

次の文を読み《問197》、《問198》に答えよ。 
37歳、男性。妻と子ども2人の4人家族。仕事が忙しく、帰宅はほぼ毎日夜11時過ぎ。朝はぎりぎりまで寝ていて、妻が子どもの分と一緒に朝食を準備しているが、欠食。家族と一緒に食事をする頻度は週末1回程度。子どもと接する時間があまりとれず、さびしく思っている。また、この10年間、体重が増加傾向にあり、現在BMI24.8kg/m2となり、気にしている。 
会社の健康診断時に、管理栄養士が、「朝食欠食」をどう思っているかたずねたところ、「忙しくてすぐには無理だが、近いうちに改善したい」と答えたので、熟考期(関心期)にあることがわかった。 

問197 トランスセオレティカルモデル(行動変容段階モデル)に基づく、「朝食を食べること」の意思決定バランスに関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 

(1)朝食を食べるには、朝早く起きなければならないので、大変だと思う。 
(2)朝食を食べるために、夕食を軽めにすると、減量もできるかもしれないと思う。 
(3)朝食を食べるようになると、朝食時に子どもと話ができると思う。 
(4)朝食を食べるようになると、妻も作りがいがあるだろうと思う。 
(5)朝食を食べるには、働き方を工夫して、帰宅時間を少し早くしようと思う。 

問198 その後、朝食を食べるようになった男性の行動変容を継続するために行う支援と、その技法や方法に関する組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)夕食の食べ過ぎを防ぐため、夜の宴会を減らすように勧める—セルフモニタリング 
(2)朝食を食べたかどうか、手帳に記録をつけるように勧める—刺激統制 
(3)朝食を食べられない日があっても、翌日また頑張ろうと思えば良いと話す—認知再構成 
(4)朝食を食べるようになって減量に成功した同僚の事例を、社内報で紹介する—オペラント強化 
(5)朝食用に手軽で食べやすい食品の販売を、社内の売店で増やす—情報へのアクセス面の食環境整備 

次の文を読み《問199》、《問200》に答えよ。 
下表は、種々の経腸栄養剤の特徴を示したものである。 
応用力問題*NPC/N比:非たんぱく質エネルギー/窒素比 

問199 クローン病(活動期)の栄養療法に適切な経腸栄養剤である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)経腸栄養剤A  (2)経腸栄養剤B  (3)経腸栄養剤C 
(4)経腸栄養剤D  (5)経腸栄養剤E 

問200 保存期慢性腎不全(CKDステージ4)の栄養療法に適切な経腸栄養剤である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)経腸栄養剤A  (2)経腸栄養剤B  (3)経腸栄養剤C 
(4)経腸栄養剤D  (5)経腸栄養剤E

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