第26回 臨床栄養学(30問)

kyukei



問121 臨床栄養で使用される用語に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 

(1)クリニカルパスに基づいて、家族へ栄養治療計画の説明を行う。 
(2)食事への毛髪混入予防は、リスクマネジメントの一つである。 
(3)ノーマリゼーションに基づいて、障がい者の栄養介入を行う。 
(4)インフォームドコンセントでは、患者及び家族の意思は反映されない。 
(5)ターミナルケアでは、患者の嗜好を尊重する。 

問122 栄養における診療報酬・介護報酬算定に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)食道がん術後は、入院栄養食事指導の算定対象となる。 
(2)外来患者は、経口移行加算の対象となる。 
(3)在宅療養患者は、栄養管理実施加算の対象となる。 
(4)栄養サポートチーム加算は、毎日算定できる。 
(5)栄養マネジメント加算は、1週間に1回算定できる。 

問123 75歳、男性、身長178cm、体重70kg(標準体重70kg)の入院患者の1日尿中クレアチニン排泄量が1,100mgのときのクレアチニン身長係数である。正しいのはどれか。1つ選べ。 
ただし、クレアチニン排泄基準値は、標準体重1kg当たり23mg である。 

(1)約150%  (2)約100%  (3)約90%  (4)約70%  (5)約50% 

問124 臨床で用いる窒素出納を求める簡易式である。正しいのはどれか。1つ選べ。 
ただし、尿中への1日窒素排泄量が、体全体の窒素排泄量の80%を占める。 

(1)0.8/尿中窒素排泄量(g/日)- 6.25/たんぱく質摂取量(g/日) 
(2)尿中窒素排推量(g/日)/0.8 - 6.25/たんぱく質摂取量(g/日) 
(3)6.25/たんぱく質摂取量(g/日)- 0.8/尿中窒素排推量(g/日) 
(4)たんぱく質摂取量(g/日)/6.25 - 0. 8/尿中窒素排泄量(g/日) 
(5)たんぱく質摂取量(g/日)/6.25 - 尿中窒素排泄量(g/日)/0.8 

問125 臨床検査値による栄養状態の評価に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)血清アルブミン値は、栄養不良により上昇する。 
(2)血中尿素窒素値は、食事摂取量の影響を受けない。 
(3)尿中クレアチニン排泄量は、筋肉量の指標となる。 
(4)血清トランスフェリン値は、脂質代謝の指標となる。 
(5)血清C-ペプチド値は、尿酸代謝の指標となる。 

問126 入院患者の栄養ケア計画に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。
(1)疾患の治療方針に沿う。 
(2)多職種で計画を立てる。 
(3)家族への栄養教育は含まない。 
(4)食事計画に対する患者の同意を得る。 
(5)決定した内容を文章化する。 

問127 経口栄養法に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 

(1)軟食は、主食の形態による分類である。 
(2)流動食の目的の一つは、水分の補給である。 
(3)常食は、患者の年齢も考慮した食事である。 
(4)特別食加算の貧血食は、溶血性貧血が対象である。 
(5)注腸造影検査食は、食物繊維を少なくした食事である。 

問128 経腸栄養法に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)経鼻経管法では、カテーテル先端を回腸に留置する。 
(2)成分栄養剤の脂肪エネルギー比率は、20%である。 
(3)腸瘻による経腸栄養管理は、8週間を超えてはならない。 
(4)食道通過障害時には、使用できない。 
(5)肝不全用経腸栄養剤は、芳香族アミノ酸を少なくしている。 

問129 静脈栄養法による栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)生理食塩液には、9mEq/LのNa+が含まれる。 
(2)成人のブドウ糖の投与速度は、10mg/kg体重/分とする。 
(3)高カロリー輸液用基本液には、亜鉛が含まれる。 
(4)ビタミンB6欠乏では、代謝性アシドーシスを発症する。 
(5)脂肪乳剤は、末梢静脈から投与できない。 

問130 68歳、男性、食欲不振があり最近の6週間で体重が8kg減少し入院した。入院時身長170cm、体重52kg、血清アルブミン値2.8g/dLで低栄養状態と判定された。この患者の中心静脈栄養管理の方針に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 

(1)エネルギー投与量を40kcal/kg/日から開始する。 
(2)水分補給を実施する。 
(3)血清カリウム値をモニタリングする。 
(4)血清リン値をモニタリングする。 
(5)血清マグネシウム値をモニタリングする。 

問131 栄養ケア・マネジメントに関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 

(1)問題志向型診療記録(POMR)は、多職種共通の記録方式である。 
(2)栄養スクリーニングは、退院時に行う。 
(3)主観的包括的栄養評価法(SGA)は、栄養スクリーニングに有用である。 
(4)栄養ケア計画作成には、身体計測が必要である。 
(5)栄養補給実施後は、再評価を行う。 

問132 ミネラルとその欠乏症の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)クロム—心筋障害  (2)セレン—骨粗鬆症  (3)鉄—ヘモクロマトーシス 
(4)亜鉛—皮膚炎  (5)カルシウム—尿路結石 

問133 肥満に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)学童期の高度肥満は、肥満度が20%以上と定義される。 
(2)メタボリックシンドロームは、内臓脂肪蓄積型肥満を呈する。 
(3)肥満では、インスリン感受性が高まる。 
(4)原発性(単純性)肥満では、血漿レプチン値が低下する。 
(5)二次性(症候性)肥満は、生活習慣病である。 

問134 糖尿病の食事療法に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)指示エネルギー量は、[標準体重(kg)×ストレス係数]で算出する。 
(2)指示たんぱく質量は、1.0~1.2g/kg(標準体重)とする。 
(3)ショ糖の摂取は、インスリン抵抗性を改善する。 
(4)アルコールのエネルギー量は、4kcal/gで計算する。 
(5)インスリン治療中の患者には、炭水化物のエネルギー比率を75%にする。 


問135 糖尿病合併症に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)糖尿病神経障害は、尿中微量アルブミンの出現で診断される。 
(2)糖尿病神経障害では、自律神経は障害されない。 
(3)糖尿病腎症は、血中HbA1Cの増加で診断される。 
(4)糖尿病網膜症は、失明の原因になる。 
(5)糖尿病ケトアシドーシス発症時の治療は、食事療法で行う。 

問136 高尿酸血症に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)血清尿酸値が、5mg/dL以上で診断される。 
(2)エストロゲンには、尿酸の尿中排泄促進作用がある。 
(3)痛風発作極期には、アロプリノール(尿酸生成阻害薬)を使用する。 
(4)水分制限を勧める。 
(5)アルコール摂取を勧める。 

問137 腸疾患とその栄養療法の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)たんぱく漏出性胃腸症—エネルギー制限食 
(2)過敏性腸症候群—中心静脈栄養法 
(3)クローン病(寛解期)—低脂肪食 
(4)潰瘍性大腸炎(寛解期)—低たんぱく質食 
(5)便秘症—高たんぱく質食 

問138 50歳、男性、身長165cm、体重70kg。C型肝硬変と診断された。両下肢の浮腫、腹水、黄疸を認める。血中ヘモグロビン値9.6g/dL、血清アルブミン値2.9g/dL、血中アンモニア値188μg/dL。食事療法の方針に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)食塩摂取量は、6g/日とする。 
(2)飲水量は、300mL/日以下とする。 
(3)脂肪エネルギー比率は、35%とする。 
(4)たんぱく質摂取量は、90g/日とする。 
(5)鉄摂取量は、20mg/日とする。 

問139 70歳、男性、慢性腎不全。血清クレアチニン値2.5mg/dL、血中尿素窒素値58mg/dL、血清カリウム値5.7mEq/L、血清リン値5.6mg/dL、血清カルシウム値8.5mg/dL、血清ナトリウム値134mEq/L。この患者への食事指導である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 

(1)カリウム摂取制限  (2)たんぱく質摂取制限  (3)食塩摂取制限 
(4)リン摂取制限  (5)カルシウム摂取制限 

問140 成人のネフローゼ症候群の栄養管理に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)たんぱく尿消失後は、エネルギー量を標準体重1kg当たり20kcal/日とする。 
(2)ステロイド薬使用時は、食欲低下に注意する。 
(3)低たんぱく血症時は、たんぱく質量を標準体重1kg当たり2.0g/日とする。 
(4)高コレステロール血症時は、脂肪エネルギー比率を10%程度とする。 
(5)軽度の浮腫がみられる時は、食塩を5g/日とする。 

問141 内分泌疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)甲状腺機能亢進症では、血清総コレステロール値が低下する。 
(2)甲状腺機能亢進症では、水分制限を行う。 
(3)甲状腺機能低下症では、高エネルギー食とする。 
(4)クッシング症候群では、低血糖をきたす。 
(5)副甲状腺機能低下症では、低カリウム血症を呈する。 

問142 脳血管疾患に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 

(1)片麻痺が生じると、ADLは低下する。 
(2)意識障害の程度は、血清CRP値で判定される。 
(3)寝たきりになると、エネルギー必要量は減少する。 
(4)意識障害がある場合も、経腸栄養法が適用できる。 
(5)経口摂取を開始する場合には、誤嚥性肺炎に注意する。 

問143 食物アレルギーに関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 

(1)アナフィラキシーショックが、認められる。 
(2)コルチゾールの投与は、有効である。 
(3)肥満(マスト)細胞が、関与する。 
(4)血中の好中球数が、増加する。 
(5)ヒスタミンが、関与する。 

問144 がん患者に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)早期胃がんでは、悪液質がみられる。 
(2)回盲部切除後には、ビタミンB6の吸収が低下する。 
(3)膵臓切除後には、グルカゴン分泌が亢進する。 
(4)化学療法施行時には、食欲が亢進する。 
(5)緩和ケアの対象には、早期がん患者が含まれる。 

問145 後期ダンピング症候群に関する記述である。[   ]に入る正しいものの組合せはどれか。1つ選べ。 

食事摂取後、一過性の[ a ]により、[ b ]の分泌亢進が起こり、[ c ]を呈する。 

      a            b              c 
(1)高ナトリウム血症—ナトリウム利尿ペプチド—脱水 
(2)高ナトリウム血症—抗利尿ホルモン———脱水 
(3)低血糖———–グルカゴン————–高血糖 
(4)高血糖———–アドレナリン————-低血糖 
(5)高血糖———–インスリン————–低血糖 

問146 クリティカルケアに関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 

(1)熱傷患者では、水分喪失量が増加する。 
(2)熱傷患者では、血管透過性が亢進する。 
(3)全身性炎症反応症候群(SIRS)では、エネルギー代謝が亢進する。 
(4)外傷時には、たんぱく質異化が亢進する。 
(5)肝性脳症発現時には、血中分枝アミノ酸が増加する。 

問147 誤嚥予防に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。 

(1)食事摂取時の姿勢は、仰臥位とする。 
(2)顎を上に挙げて嚥下する。 
(3)スプーンは、浅いものとする。 
(4)きざみ食とする。 
(5)水は、とろみをつける。 

問148 ホモシスチン尿症の栄養管理で、摂取制限が必要なアミノ酸である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)フェニルアラニン  (2)メチオニン  (3)トレオニン  (4)ロイシン  (5)トリプトファン 

問149 妊娠糖尿病に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)妊娠前から診断されている糖尿病をいう。 
(2)血糖コントロール目標は、朝食前血糖値を150mg/dLとする。 
(3)妊娠に伴うエネルギー付加は、行わない。 
(4)薬物療法には、インスリンを用いる。 
(5)ケトン体産生を亢進させる食事とする。 

問150 褥瘡に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)鎖骨部は、好発部位である。 
(2)治療は、創傷部を加圧することである。 
(3)糖尿病患者では、悪化しやすい。 
(4)鉄摂取を制限する。 
(5)水分摂取を制限する。

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