第26回 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(30問)

kyukei


問21 ヒトの細胞に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)リソソームでは、ATPの合成が行われる。 
(2)細胞膜のリン脂質は、親水性部分が向き合って二重層をつくる。 
(3)ゴルジ体では、遺伝情報の転写が行われる。 
(4)滑面小胞体では、脂質の代謝が行われる。 
(5)細胞内液のNa+濃度は、細胞外液より高い。 

問22 染色体・核酸に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)クロマチンには、たんぱく質は含まれない。 
(2)細胞内のRNAで量が最も少ないのは、リボソームRNA(rRNA)である。 
(3)DNAリガーゼは、DNA中の特定塩基配列を切断する。 
(4)DNAと伝令RNA(mRNA)の塩基対形成を、DNAの変性と呼ぶ。 
(5)ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法には、DNAポリメラーゼが用いられる。 

問23 生体エネルギーと代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)脱共役たんぱく質(UCP)は、酸化的リン酸化を促進する。 
(2)Na+,K+-ATPaseは、K+を細胞外へ排出する。 
(3)摂取した水分子の酸素原子は、呼気中の二酸化炭素分子には含まれない。 
(4)代謝過程で生じた熱は、身体活動のためのエネルギー源として利用することができる。 
(5)脂肪酸のβ酸化経路には、中間代謝物と酸素分子が反応する過程はない。 

問24 酵素に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)アポ酵素は、補欠分子族を含む。 
(2)律速酵素は、代謝経路で最も速い反応を触媒する。 
(3)アイソザイムは、同じアミノ酸配列をもつ。 
(4)化学反応の活性化エネルギーは、酵素によって低下する。 
(5)競合阻害では、酵素反応の最大速度(Vmax)は低下する。 

問25 アミノ酸・たんぱく質の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)オートファジー(autophagy)は、たんぱく質を合成する作用である。 
(2)アラニンは、アミノ基転移反応によりオキサロ酢酸になる。 
(3)アスパラギン酸は、ケト原性アミノ酸である。 
(4)プロテインキナーゼは、たんぱく質分解酵素である。 
(5)尿素回路は、肝臓に存在する。 

問26 糖質の代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)ヘキソキナーゼは、糖新生系の律速酵素である。 
(2)肝臓には、グルコース-6-ホスファターゼが存在する。 
(3)グリコーゲンが加リン酸分解されると、グルコースが生成する。 
(4)ペントースリン酸回路は、尿素回路の側路である。 
(5)グルカゴンは、グリコーゲン合成を促進する。 

問27 脂質とその代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)HDLの粒子径は、キロミクロンより大きい。 
(2)肝臓のLDL受容体は、HMG-CoA還元酵素の阻害に伴って減少する。 
(3)インスリンは、リポたんぱく質リパーゼ活性を低下させる。 
(4)リポたんぱく質のコア部分は、リン脂質からなる。 
(5)スカベンジャー受容体は、酸化LDLを結合する。 

問28 健常成人の血液検査項目と、その数値及び単位の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)動脈血のpH—7.1 
(2)動脈血の酸素飽和度—48% 
(3)空腹時血糖値—96g/L 
(4)血漿の浸透圧—284mOsm/L 
(5)血漿総たんぱく質値—4.3g/L 

問29 がんに関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)p53は、がん遺伝子の一つである。 
(2)がん細胞が腹膜にばらまかれる進展様式を播種という。 
(3)A型肝炎ウイルスは、肝細胞がん発症と密接な関係がある。 
(4)原発性肺がんの大部分は、移行上皮がんである。 
(5)腸上皮化生は、直腸がんの前がん状態である。 

問30 症候に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)浮腫は、血漿膠質浸透圧の上昇により生じる。 
(2)タール便は、直腸における出血でみられる。 
(3)仮面高血圧は、診察室血圧が高血圧である。 
(4)JCS(Japan Coma Scale)は、心機能の指標である。 
(5)起坐呼吸は、呼吸を楽にするために座位をとる状態である。 

問31 治療の方法に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)経腸栄養法は、イレウスに行う。 
(2)生体肝移植は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に行う。 
(3)血液透析は、糖尿病腎症第3期Aに行う。 
(4)LDLアフェレーシスは、家族性高コレステロール血症に行う。 
(5)白血球(顆粒球)除去療法は、過敏性腸症候群に行う。 

問32 ビタミンとその欠乏症の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)ビタミンE—神経管閉鎖障害 
(2)ビタミンK—新生児メレナ 
(3)ビタミンB12—角膜乾燥症 
(4)葉酸—悪性貧血 
(5)パントテン酸—ペラグラ 

問33 先天性代謝異常症に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)フェニルケトン尿症では、血中のフェニルアラニンが減少する。 
(2)ホモシスチン尿症では、血中のチロシンが減少する。 
(3)メープルシロップ尿症では、血中のロイシンが増加する。 
(4)ウィルソン病では、血中のセルロプラスミンが増加する。 
(5)糖原病I型では、血中のグルコースが増加する。 

問34 誤嚥に関する記述である。誤っているのはどれか。1つ選べ。 

(1)誤嚥の検査には、DEXA法を用いる。 
(2)高齢者には、不顕性誤嚥がみられる。 
(3)嚥下物の喉頭侵入では、異常音(ゴロゴロ音)が聴こえる。 
(4)経鼻胃管挿入状態は、誤嚥性肺炎のリスクになる。 
(5)誤嚥性肺炎の防止には、口腔ケアが有用である。 

問35 非代償期肝硬変患者における臨床検査成績である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)血小板数増加 
(2)血清γグロブリン低値 
(3)血清総ビリルビン低値 
(4)プロトロンビン時間(PT)延長 
(5)血清乳酸脱水素酵素(LDまたはLDH)低値 

問36 血圧調節に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)血圧の上昇により圧受容体が刺激されると、心拍数は低下する。 
(2)動脈血圧は、心拍出量と末梢血管抵抗の和であらわされる。 
(3)血液粘性が高いと、血圧は低下する。 
(4)副交感神経刺激で、心拍出量は増加する。 
(5)心臓への流入血液量が増えると、心収縮力は低下する。 

問37 高血圧の病型分類とその原因疾患・病態の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)腎実質性高血圧—クッシング症候群 
(2)内分泌性高血圧—慢性糸球体腎炎 
(3)本態性高血圧—褐色細胞腫 
(4)腎血管性高血圧—原発性アルドステロン症 
(5)収縮期高血圧—大動脈の硬化 

問38 健常成人の腎機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)腎血漿流量は、500~700mL/分である。 
(2)糸球体濾過量(GFR)は、約10mL/分である。 
(3)尿量は、約300mL/日である。 
(4)尿比重は、1.10以上に調節されている。 
(5)尿のpHは、7.40±0.05の範囲に調節されている。 

問39 骨吸収を促進するホルモンである。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)アドレナリン  (2)エストロゲン  (3)カルシトニン  (4)副甲状腺ホルモン(PTH)  (5)プロゲステロン 

問40 内分泌に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)原発性アルドステロン症では、高カリウム血症が起こる。 
(2)ヨウ素欠乏は、甲状腺機能亢進症の原因となる。 
(3)尿崩症では、低ナトリウム血症が見られる。 
(4)循環血液量の減少は、アルドステロンの分泌を抑制する。 
(5)新生児の甲状腺機能低下症では、脳の発達障害が起こる。 

問41 健常成人の脳における代謝に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)脳は、グリコーゲンを貯蔵する。 
(2)たんぱく質は、血液脳関門を自由に通過できる。 
(3)脳では、ATPのほとんどがグルコースに由来する。 
(4)脳は、安静時において全身で使われるグルコースの約2%を使用する。 
(5)脳は、1日当たり約1,000kcalのエネルギーを消費する。 

問42 体内における空気の成分の比較である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)肺胞内の窒素分圧 > 肺胞内の酸素分圧 
(2)大動脈血の血漿中に溶解している酸素の量 > 大動脈血のヘモグロビンに結合している酸素の量 
(3)大動脈血に炭酸(H2CO3)の形で存在している二酸化炭素の量 > 大動脈血に重炭酸イオン(HCO3-)の形で存在している二酸化炭素の量 
(4)肺静脈血の二酸化炭素分圧 > 肺動脈血の二酸化炭素分圧 
(5)門脈血の酸素分圧 > 肝動脈血の酸素分圧 

問43 慢性閉塞性肺疾患(COPD)に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)女性に多い。 
(2)痰を伴わない咳が特徴である。 
(3)1 秒率が増加する。 
(4)除脂肪体重(LBM)は増加する。 
(5)インフルエンザワクチンの接種は死亡率を低下させる。 

問44 骨・関節疾患に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。 

(1)クッシング症候群では、骨折のリスクが低い。 
(2)閉経後骨粗鬆症では、骨吸収が低下する。 
(3)慢性腎不全は、骨粗鬆症の原因となる。 
(4)低体重では、変形性膝関節症のリスクが高い。 
(5)小児期のビタミンD欠乏では、くる病が起こる。 

問45 生殖器とその内分泌機能に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)セルトリ細胞は、テストステロンを分泌する。 
(2)ライディヒ細胞は、精子形成細胞を保持・保護する。 
(3)黄体形成ホルモン(LH)は、セルトリ細胞を刺激する。 
(4)子宮筋腫は、閉経後に好発する。 
(5)子宮内膜症は、エストロゲン依存性である。 

問46 ビタミンK依存性凝固因子である。正しいのはどれか。2つ選べ。 

(1)第V因子  (2)第Ⅶ因子  (3)第Ⅷ因子  (4)第X因子  (5)第Ⅷ因子 

問47 貧血とその血液検査所見に関する組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)鉄欠乏性貧血—不飽和鉄結合能(UIBC)低値 
(2)溶血性貧血—ハプトグロビン低値 
(3)再生不良性貧血—葉酸低値 
(4)巨赤芽球性貧血—ビタミンB12高値 
(5)腎性貧血—エリスロポエチン高値 

問48 スギ花粉症のアレルギ一発症機序の分類である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)I型  (2)II型  (3)Ⅲ型  (4)Ⅳ型  (5)V型 

問49 自己免疫疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)全身性エリテマトーデスは、日光浴で寛解する。 
(2)強皮症では、食道蠕動が低下する。 
(3)橋本病では、皮膚が湿潤になる。 
(4)シェーグレン症候群では、唾液分泌が増加する。 
(5)関節リウマチは、成人になると治癒する。 

問50 病原体とそれによる疾患の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。 

(1)ヒトパピローマウイルス—子宮体がん 
(2)マイコプラズマ—肺炎 
(3)ヘリコバクター・ピロ—膵臓がん 
(4)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)—成人T細胞白血病 
(5)A群β溶血性連鎖球菌—胃潰瘍

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