介護支援専門員、ケアマネ

第15回 問題29


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【問題29】高齢者が服用することが多い薬剤と副作用の組み合わせとして、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1 鉄剤―――消化器症状

2 降圧薬―――起立性低血圧

3 利尿薬―――唾液分泌過剰

4 抗不安薬―――便秘

5 非ステロイド性消炎鎮痛薬―――低血糖


【用語解説】

●鉄剤
貧血の大きな原因の代表とも言われる鉄不足。鉄不足を補う薬剤。
私たちの体に存在する鉄は、70%がヘモグロビンとして存在しており、残り30%は肝臓や脾臓、骨髄などに蓄えられた貯蔵鉄として存在しています。体内で鉄が不足した場合はこの貯蔵鉄を使用するためすぐに鉄欠乏性貧血になることはありませんが、不足の状態が続くと貯蔵鉄が枯渇し貧血が起こります。貯蔵鉄が枯渇してしまうと食事などで貯蔵鉄を回復する事は難しく、常に貧血が起こりやすい状態になります。そのため貯蔵鉄が枯渇した鉄欠乏性貧血の治療には鉄剤を使用します。

鉄剤とは精製した鉄粉を主原料にしたもので、塩化第一鉄やフマル酸第一鉄、クエン酸第一鉄ナトリウムなどの鉄化合物の鉄剤が一般的です。鉄剤には食事の中に含まれる鉄よりもはるかに大量の鉄を含んでおり、しかも吸収されやすいヘム鉄の状態なので、効率よく鉄を摂取する事ができます。

しかしそれでも鉄の吸収は徐々に行われるため、鉄剤の服用は長期に及んでしまいます。一般的に鉄剤の効果が現れるのは、鉄量として1日100~150mgを2~3ヶ月服用してからの事です。その頃になると肩こりや頭痛といった貧血の症状もすっかり消え、鉄欠乏性貧血は改善されます。しかし貧血の再発を防ぐためにも、さらに3ヶ月ほどは鉄剤を飲み続け、貯蔵鉄量を増やす必要があります。つまり鉄剤の服用期間は半年ほどと考えておく必要があります。

●降圧薬
高血圧の治療薬
Ca拮抗薬、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬、α遮断薬などが存在する。

●起立性低血圧
首筋から肩にかけてハンガーの形の部分が凝って痛むという衣紋掛け痛みや、立っているときの耳鳴り。起立後直後は自律神経の働きがまだ活発にならないので、朝がつらいのも一つ。 起立性手低血圧症の場合、加えて、特に起立時のめまい、立ちくらみ、ひどいときには失神も起こします。

これらは、自律神経の動きが鈍い若い女性やお年寄り、子供に多くあらわれます。
子供の場合、体の成長に対して、自律神経の成長が追いつかないのが原因です。このようなお子さんは、起立性低血圧症の場合など特に、朝起きられなかったり、朝礼で倒れたりします。ところが、見たところ健康で、最近まできちんと起きていたことから、本人は実際につらくてめまいがするのに「さぼっている」とか「登校拒否」などと誤解されることも多いようです。そこで登校するのがますますイヤになって、本当の登校拒否になることも・・・。周囲の人、特に学校の先生や両親の理解が必要です。


●非ステロイド性消炎鎮痛薬
NSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性消炎・鎮痛剤)とは、ステロイド以外の抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有する薬剤の総称です。いわゆる「痛み止め」として、さまざまな痛みに対し、処方されています。一般的には、痛み、発熱の際に使用される「解熱鎮痛薬」とほぼ同じ言葉として用いられています。
NSAIDsは、シクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素を経由して、痛みの原因である発痛物質プロスタグランジンの生成を抑えることで痛みを鎮めます。

NSAIDsは、鎮痛薬としては効果の高いものであり、広く普及していますが、副作用として、胃腸障害や腎臓障害などが知られています。現在では、このような副作用を軽減したタイプのものも開発され、普及しています。

●低血糖
血糖値は食事によって多少の変動をしています。血糖値がこの正常な変動幅を超えて低いほうに傾き、それによる症状が現れた時、低血糖症といいます。
血糖値の正常な変動幅は、だいたい70〜120mgdlの間におさまっています。しかし、絶食時間の長さ、年齢、性や妊娠の有無などによって、正常な人でも通常示さないような低い血糖値を示すことがあります。この場合、いらいら感が強いくらいの症状でおさまることが多いようです。
このように血糖値が正常域を外れて低くなっても、症状が出にくいこともあります。これは低血糖症を起こす血糖値を数字で表すことができないことにも関連しています。実際に血糖値でいくつ以下から低血糖である、ということは断言できません。
外因性の原因として多いのは、糖尿病治療薬(インスリンや経口血糖降下薬)によるもの、アルコール摂取(とくに空腹時の)によるもの、抗不整脈薬などの薬剤によるものなどです。
内因性の原因として、反応性低血糖と呼ぶもの(胃切除後のダンピング症候群や胃下垂(いかすい)の人、またインスリン感受性の高い人)がありますが、食事のとり方に注意することで予防することができます。

【解説】

【解答】1, 2, 4


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