介護支援専門員、ケアマネ

第14回 問題25

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【問題25】Aさん(92歳)は重度の認知症である。長女家族と同居しながら自宅で生活を続けていたが、肺炎を発症し緊急入院した。ある日、入院先の病院の医師より「嚥下の機能が低下しているため、今後経口摂取は難しい。胃ろうを造設して退院しますか?」と言われ、家族が悩んでいる。病院から介護支援専門員に、家族の相談にのってくれるよう依頼があった。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1 Aさんが延命処置についてどのような価値観や意向を持っていたかを家族と話し合い、冷静に判断できるように支援した。

2 「注入した栄養剤が逆流して誤嚥性肺炎が起きることがあるので、胃ろうはしないほうがよい」と家族に勧めた。

3 自宅で生活する際の主治医の意見を聞いてから、家族と話し合うことにした。

4 病院と在宅サービスの関係者を招集したカンファレンスの開催について、病院と相談した。

5 退院後についても病院の医師の判断に任せてはどうかと家族に伝えた。

【用語解説】

●認知症
脳の疾患により、記憶、思考、見当識(時間・場所等の感覚)、理解、計算、学習能力、言語、判断を含む認知機能の低下した状態をいいます。意識の混濁はなく、認知機能の障害は通常、慢性、進行性で、情動の統制、社会行動あるいは動機づけの低下を伴います。臨床的には、これらの症状が、日常生活を損なう程度に達した状態が6カ月以上続いたときに、認知症の診断が考慮されます。従って、認知症は複数の症状を呈している状態であって疾患名ではありません。
認知症を引き起こす原因疾患には、① 脳出血、脳梗塞、脳動脈硬化のような血管病変、② アルツハイマー病、レビー小体病、前頭側頭葉変性症のような脳細胞の変性疾患)、③ 梅毒、AIDS 等の感染症、④ 頭部外傷、⑤ 薬物中毒などがあります。

●経口摂取
口から飲食物をとること。

●胃ろう(PEG)
PEG(ペグ)とは、内視鏡を使って「おなかに小さな口」をつくる手術のことです。
つくられたおなかの口を「胃瘻(胃ろう)」言い、また、取り付けられた器具を、「胃ろうカテーテル」といいます。(カテーテル=管、チューブ)
口から食事のとれない方や、食べてもむせ込んで肺炎などを起こしやすい方に、直接胃に栄養を入れる栄養投与の方法。

【解説】

問題 25【易しい問題】

読み間違い、勘違い、思い違いがなければ解答可能でしょう。

1○ 【5訂 第1巻186-190P】

不安に思っていることを伺い、在宅でおこなえる支援を説明することにより多少なりとも不安軽減される場合もある可能性があるので○と判断します。

2× 【5訂 第1巻186-190P】

医師の話とあまりにも食い違い、家族の不安をあおる最悪の対応でしょう。医療的な領域の説明は、医師の独占業務になります。

3○ 【5訂 第1巻186-190P】

適切と判断します。

4○ 【5訂 第1巻186-190P】

適切と判断します。

5× 【5訂 第1巻186-190P】

意思決定は、ご本人及び家族側にあります。主体者は医師ではありません。

今年の支援分野の問題を、1問あたり2分以内で解き、全ての選択肢を○か×か根拠をもって全問解答できた受験生は皆無といってよいでしょう。カンで解答することは可能でしょう。現役のベテランケアマネでも根拠を持って全ての選択肢に○×をつけられる方も皆無でしょう。問題作成者側の事情は、上位約20%の方だけを選抜するために、あえて誰も答えられない内容のものを選択肢に入れているようです。コンピュータ等で、正当率が低くなるよう、未出題の部分や曖昧な部分を検討して、問題にまぜ込み仕立て上げていると推測できますので、割り切って学習する必要がありそうです。

まず資格を手にするための勉強が必要でしょう。ということは、得点が取れる部分の学習を重点的におこないましょう。満点を取らなくても合格できます。試験に出そうなところを学習しましょう。合格オンラインでは過去の試験データも蓄積しており、得点をどこでするべきなのかもほぼわかっております。

学習方法やどこがどうして出題されるのかを、早く理解するにはDVDがおすすめです。

【解答】1,3,4

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