第13回 問題32
【問題32】誤嚥防止について、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 むせるからといって口からの飲食を拒否する人には、経口摂取を中止し、経管栄養にする。
2 むせやすい人では、お茶や汁物にとろみをつけるのがよい。
3 冷たい食品は、嚥下反射を鈍らせるので避ける。
4 いきなり、食物を口に入れるのではなく、献立の説明をし、食事の前に深呼吸や口を動かす準備運動をするとよい。
5 食事を摂る姿勢はできる限り座位とし、頭部と体幹をわずかに前傾するのがよい。
【用語解説】
●誤嚥
食べたり飲んだりしようとしたときに,飲食物が食道ではなく気管に入ってしまうこと
●体幹
体の主要部分。胴体のこと
【解説】
問題 32【易しい問題】
人間のからだは、実に上手につくられていて、ふだは口腔、鼻、気管は呼吸をするために外部に開かれた状態にありますが、いったん口から食べ物を入れると鼻腔や気道に食物が紛れ込まないよう閉じられ、さらに蠕動運動によって食物は食道をとおって胃に送られる仕組みになっています。
た・だ・し!!! 食物が口に入ると、口頭蓋が倒れ気道が閉じられ食物は食道に入るのですが、完全に気道が閉じられることがないため、誤嚥(むせ)が起きる原因となります。本来、誰にでも起こりうる、【むせ】。ここに、加齢に伴う嚥下反射の低下や、脳神経系疾患による嚥下障害などが加われば、誤嚥をおこしやすくなるのは当然のことともいえます。高齢者にとって、【むせ】は苦しいだけでなく、誤嚥がもとで窒息したり、誤嚥性肺炎の原因にもなります。
【 STOP THA 誤嚥 】は、食事の介護の合言葉ですね。
1× 【5訂 第3巻61~63P】
明らかに誤った対応ですね。みなさまなら、どのような対応を試みられますか??
2○ 【5訂 第3巻62~63P】
設問のとおりです。
液体よりも、ばらばらになりにくい、ドロドロした状態(ピューレ状)や半固形状のものが飲み込みやすいとされます。水などのサラサラしたものが、実は誤嚥を誘発・・・。介護の仕事に関わるには、やはり学ばなければならないことが多いと実感しますね。とろみをつける補助剤はドラッグストアなどにも置かれています。見たことない!受験生さんは、一度お店でチェックを。
3× 【5訂 第3巻62~63P】
摂食をはじめる段階での、アイスクリームやヨーグルトなどの冷たい食品は飲み込みを促すとされますので、上手に取り入れたいものです。
4○ 【5訂 第3巻63P】
設問のとおりです。
デイや施設に勤務の受験生さんは、嚥下体操としておなじみでしょう。いきなり食事を始めると、ひとくちめでむせてしまうことも多いもの。深呼吸や口を動かすなどしてから食べ始めるようにします。また、飲み込むときは、できれば少し息をとめて、口をしっかり閉じて。調理の工夫ももちろんですが、【食べ方への配慮】も誤嚥のある人への食事の介護では必須となります。
5○ 【5訂 第3巻63P】
設問のとおりです。
18年本試験、問題31でも、同じ趣旨の出題が見られます。【あごを少し引いて】の姿勢をとることが基本ですね。
【解答】2,4,5