第12回 問題26
【問題26】検査結果と病態との組合せについて正しいものはどれか。3つ選べ。
1 CRP(C反応性蛋白)の上昇—炎症
2 血清クレアチニン値の低下—腎機能低下
3 1秒率(FEV1.0%)の上昇—呼吸機能低下
4 血小板の減少—出血傾向
5 血清アルブミン値の低下—低栄養
【用語解説】
●CRP
「C-リアクティブ・プロテイン」の略で、炎症や組織細胞の破壊が起こると血清中に増加するたタンパク質のことです。炎症が起こると、血液中のCRPは、24時間以内に急増します。
弱い陽性の場合は「慢性の感染症やウイルス感染症」などが疑われ、強い陽性の場合は「急性の感染症、膠原病、癌、心筋梗塞、敗血症」などが考えられます。
炎症が治まれば、すぐに正常値に戻ります。
●血清クレアチニン値
筋肉の中にはクレアチンリン酸と呼ばれるエネルギーを貯めた窒素化合物が含まれています。これが酵素の働きによってクレアチンに分解されるときエネルギーを放出し、そのエネルギーを使って筋肉は動きます。クレアチンは役割を終えると、クレアチニンという物質に変えられます。
体内の窒素は腎からしか排泄されませんので、クレアチニンも血液を介してすべて腎臓より尿中に排泄されます。このためクレアチニンの血中濃度は腎機能(ろ過能)の指標として用いられています。
腎疾患の進行とともに、腎機能が正常の半分以下に低下すると血清クレアチニン濃度は上昇し始めます。
●1秒率
1秒間に呼気量のうちどのくらいを吐き出すことができるかを、パーセントで示した値。1秒率が減った場合は吐き出す力が弱いということを示し、COPD(慢性閉塞性肺疾患)や気管支ぜんそくなどが疑われます。1秒率が70%以上を正常値としています。
●血清アルブミン値
肝臓で合成される蛋白質。
異常値で疑われる病気
低下
・産生の低下(肝障害、慢性炎症性の病気)、
・体外(蛋白尿、下痢、重症の火傷)への漏出、
・代謝亢進(甲状腺機能亢進症、慢性の炎症性の病気)、
・栄養不良(低栄養、消化吸収障害)で起きます。
また血液希釈でもアルブミン濃度は軽度低下(浸透圧低下)します。
増加(浸透圧上昇)
・脱水症(日射病など)以外では認められません。
【解説】
【解答】1,4,5