介護支援専門員、ケアマネ

第15回 問題31


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【問題31】高齢者の医療について適切なものはどれか。3つ選べ。

1 認知症治療薬には、錠剤以外にも経皮吸収型製剤や内服ゼリー剤があり、経口内服が困難な高齢者でも使用が可能である。

2 がんの疼痛管理では、麻薬は習慣性があり、幻覚等の症状もきたすため、可能な限り痛みは我慢してもらう。

3 慢性閉塞性肺疾患(COPD)の場合には、インフルエンザワクチンは禁忌であり、接種できない。

4 非ステロイド性消炎鎮痛薬を内服している場合には、腎機能障害や上部消化管出血のおそれもあるので、乏尿やタール便などの出現の有無を確認する。

5 高齢者のめまいについては、起立性低血圧、不整脈などの全身性疾患や内服薬が原因となることもあるため、丁寧な問診が不可欠である。


【用語解説】

●経皮吸収型製剤
皮膚に密着させて用いる製剤であるが、皮下の血管から血液に取り込まれることにより、皮膚やその近くの組織ではなく全身への作用を期待する製剤。

●疼痛(とうつう)
いたみ、うずき

●慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性気管支炎や肺気腫などにより慢性的に気道が閉塞し肺への空気の流れが悪くなる病気の総称。
代表的な症状は息切れです。

●禁忌(きんき)
人体に悪影響を及ぼす危険がある薬剤の配合や治療法を避けて行わないようにすること。

●非ステロイド性消炎鎮痛薬
NSAIDs(エヌセイズ:非ステロイド性消炎・鎮痛剤)とは、ステロイド以外の抗炎症作用、鎮痛作用、解熱作用を有する薬剤の総称です。いわゆる「痛み止め」として、さまざまな痛みに対し、処方されています。一般的には、痛み、発熱の際に使用される「解熱鎮痛薬」とほぼ同じ言葉として用いられています。
NSAIDsは、シクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素を経由して、痛みの原因である発痛物質プロスタグランジンの生成を抑えることで痛みを鎮めます。

NSAIDsは、鎮痛薬としては効果の高いものであり、広く普及していますが、副作用として、胃腸障害や腎臓障害などが知られています。現在では、このような副作用を軽減したタイプのものも開発され、普及しています。


●タール便
胃や十二指腸から相当出血している時に、みられる特徴的な便です。胃酸と血液が混合することで、黒色便になります。
具体的には、以下のような疾患でタール便が見られます。

・胃から出血する疾患:胃潰瘍、胃癌、重症の胃炎など。
・十二指腸から血が出る病気:十二指腸潰瘍、十二指腸乳頭部癌など。
・食道から血が出る病気:食道静脈瘤、食道癌(いずれも出血を伴う場合)など。
・大量の鼻出血・口腔内出血を飲み込んだ場合など。

ただし、少量の出血では、タール便にはなりません。

●起立性低血圧
首筋から肩にかけてハンガーの形の部分が凝って痛むという衣紋掛け痛みや、立っているときの耳鳴り。起立後直後は自律神経の働きがまだ活発にならないので、朝がつらいのも一つ。 起立性手低血圧症の場合、加えて、特に起立時のめまい、立ちくらみ、ひどいときには失神も起こします。

これらは、自律神経の動きが鈍い若い女性やお年寄り、子供に多くあらわれます。
子供の場合、体の成長に対して、自律神経の成長が追いつかないのが原因です。このようなお子さんは、起立性低血圧症の場合など特に、朝起きられなかったり、朝礼で倒れたりします。ところが、見たところ健康で、最近まできちんと起きていたことから、本人は実際につらくてめまいがするのに「さぼっている」とか「登校拒否」などと誤解されることも多いようです。そこで登校するのがますますイヤになって、本当の登校拒否になることも・・・。周囲の人、特に学校の先生や両親の理解が必要です。

●不整脈
不整脈は三種類。早い脈、遅い脈、飛んだり抜けたりする脈がある。
不整脈が発生する主原因は、冠動脈疾患、心臓弁障害、心不全、先天性心疾患等の心臓に起因する疾患です。甲状腺異常や肺に病気がある人も不整脈になり易い傾向がみうけられる。

【解説】

【解答】1, 4, 5


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