介護支援専門員、ケアマネ

第13回 問題33

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【問題33】次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1 嚥下反射が低下している高齢者では、むせなくても誤嚥している可能性がある。

2 手洗い(手指消毒)を徹底すれば、結核の感染を防ぐことができる。

3 誤嚥性肺炎は、食物の誤嚥によるものであり、感染症とはいえない。

4 インフルエンザワクチンの接種は、流行の予防のために、特に施設入所者には推奨されている。

5 黄色ブドウ球菌や緑膿菌などの常在菌でも、抵抗力が低下した人では発病する可能性がある。

【用語解説】

●嚥下反射
嚥下の経過は、先行期・準備期・口腔期に分かれ、さらに口腔期は1〜3期に分類されます。2期である咽頭期では嚥下反射(食物塊は咽頭の粘膜上皮中の神経終末を刺激する)によって食物塊は食道に送られます。

●誤嚥
食べたり飲んだりしようとしたときに,飲食物が食道ではなく気管に入ってしまうこと。

●誤嚥性肺炎
細菌が唾液や胃液と共に肺に流れ込んで生じる肺炎。高齢者に多く発症し、再発を繰り返す特徴がある。再発を繰り返すと耐性菌が発生して抗生物質治療に抵抗性を持つため、優れた抗生物質が開発された現在でも、多くの高齢者が死亡する原因となる。

●黄色ブドウ球菌
食中毒の原因となるだけでなく、おでき、にきびや、水虫等に存在する化膿性疾患の代表的起因菌。
そのため、健康な人でものどや鼻の中などに高率で検出され、動物の皮膚、腸管、ホコリの中など身近にも存在している。
この菌は、食べ物の中で増殖するときにエンテロトキシンという毒素をつくり、この毒素を食品と一緒に食べることにより、人に危害をおよぼす。
菌自体は熱に弱いが、この毒素は100℃30分の加熱でも分解されません。酸素のない状態でも増殖可能で、多少塩分があっても毒素をつくるため、汚染を受ければあらゆる食品が原因食となる可能性を持っている。

●緑膿菌
人の腸管の中をはじめ、自然界に広く分布しており、栄養分の少ないところでも増殖できるので、水周りによくみられます。ほかの病原菌と一緒に感染(混合感染)することが多く、抗生物質に抵抗性が強いので菌交代症をおこします。 抵抗力の非常に低下した人に、呼吸器感染症、尿路感染症、菌血症や敗血症などを引き起こす。

【解説】

問題 33【合否を分けそうな問題】

医療分野出題範囲において、感染症の予防も出題範囲となります。

◆ 感染症の種類と特徴
  (過去の本試験に登場した感染症として以下があります)
 ※ 呼吸器感染症
 ※ 尿路感染症
 ※ 褥瘡感染症
 ※ 敗血症
 ※ MRSA
 ※ 肝炎ウイルス
 ※ かいせん
 ※ 結核
 ※ 常在菌や感染の可能性の低い菌
 ※ サービスの提供に必要な情報など
 ◆ 起こりやすい感染症の予防と看護・介護
 ◆ 予防接種

過去5年本試験を遡っても、21年 問題39、20年 問題41、19年 問題42、18年 問題41、17年 問題34と、ダントツの出席率!!の感染症。これはどうやら、14回本試験を制するには、感染症を制することが必要といえそうですね。

1○ 【5訂 第2巻115~116P】

設問のとおりです。

2× 【5訂 第3巻27~28P】

椅子から転げ落ちそうになるような設問です・・・。院内感染などのニュースで、結核が決して過去の疾患でないことはどなたも御存知のとおりです。昨年の本試験でも結核の届出について問う問題がありましたので、基本となる知識は必須です。

3× 【5訂 第3巻222P】

誤嚥性肺炎は、口腔咽頭粘膜において増殖した病原菌を多量に含む分泌液(喀痰および唾液)を反復して微小吸引するものから、病原菌と食塊が気道内に入り肺炎を起こす場合などがあります。

4○ 【5訂 第3巻222P】

設問のとおりです。

ワクチン接種に関しては、20年 問題41、19年 問題42で出題されています。勤務先での感染症対策では、どのようなことがあげられているかも確認してみたいですね。

5○ 【5訂 第3巻221P】

設問のとおりです。

この夏、世間を震撼させたニュースの1つに、多剤耐性緑膿菌による感染がありました。本来であれば、人間のからだにいる緑膿菌や黄色ぶどう球菌も、抵抗力が低下した人では発病する可能性があるので、十分な注意、配慮が求められます。

【解答】1,4,5

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