介護支援専門員、ケアマネ

第13回 問題28

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【問題28】老年期うつ病に関する次の記述について適切なものはどれか。3つ選べ。

1 発症のきっかけには、親しい人との死別、家庭内の対人葛藤、身体疾患などがあげられる。

2 活動意欲が低下し、行動が鈍くなるため、自殺行為に至ることは稀である。

3 動作や反応が遅く、注意力が乏しく、忘れっぽくなり、認知症と間違われやすいという特徴がある。

4 発症が疑われる場合には、他人との関わりを嫌がるので、医療機関の受診はさせずに、力づけながら状況が改善するまで見守っていく。

5 抗うつ薬を内服している場合には、ふらつきや便秘などの副作用を注意深く観察する必要がある。

【用語解説】

●老年期うつ病
他の年代のうつ病と同じく、以下のような、うつ病の一般的特徴がある。
・気持ちが冴えず、今まで楽しめていたことが楽しめない
・集中力の低下
・意欲の低下
・疲れやすい
・死にたい気持ちが生じる
・夜中に何度も目が覚めてしまう、朝早く目が覚める
・食欲低下
老年期のうつ病に見られやすい症状としては、体の不調(痛み、しびれ、胃や胸部の不快感など)の訴えが多く、また、「自分は周りのみんなに迷惑ばかりかけている」「ガンなどの悪い病気にかかっているのではないか」など、過剰に心配する傾向がある。

【解説】 

問題 28【易しい問題】

精神に障害がある場合の介護も、下記のように出題範囲としてあげられています。

◆  高齢者の精神障害疾患等としては下記が出題されてきました。

【器質性精神障害】
  ※ せん妄
  ※ アルツハイマー病(早発型、晩発型)
  ※ 血管性認知症
  ※ その他の疾患の認知症(ピック病、レビー小体型認知症など)

【機能性精神障害】
  ※ 老年期幻覚妄想状態
  ※ 老年期気分障害(老年期そううつ病)
  ※ 老年期神経症
  ※ 老年期パーソナリティ障害

◆  精神に障害のある高齢者の介護

過去の本試験においても、18年、19年、20年と登場し、選択肢の1つにかならず、うつ病に関するものが含まれています。昨年はお休みして、試験には登場しませんでしたね。今年、来るかも!!!と、予想していた受験生さんはひと手間を惜しまず、過去問題を活用した甲斐があったといえるでしょう。

1○ 【5訂 第3巻160~161P】

老年期の中でも、特に初老期(50歳から64歳)に好発するとされます。この年齢は、配偶者や親族、友人など親しい人との死別、家庭内の対人葛藤、社会的地位の喪失など、人生の危機に直面する年齢ともいえます。また、この疾患は性格の関与も大きいとされ、患者さんの病前性格として几帳面、真面目、熱中性、徹底性、正義感などがあげられています。

2× 【5訂 第3巻160P】

老年人口の3%から、5%の有病率とされる、老年期うつ病。残念ながら、高齢者の自殺の主要な原因の1つとなっていることを、どうぞお忘れなく。

3○ 【5訂 第3巻161P】

設問のとおりです。

うつ気分に加えて行動の抑制が強く表れてしまうと、ぼんやりとした状態となり、一見、認知症にみえることがあるとされます。(仮性認知症)

オンライン模試Ver.3.3でも、そっくりさん問題が登場していましたね。

4× 【5訂 第3巻161P】

すみやかな医療機関の受診がベストです。ご本人も、精神疾患とは思わず、ご自分を責めて苦しんでいる場合もあります。正しい対応方法を家族や周囲の人が学ぶためにも、やはり医療機関受診は必須といえます。

5○ 【5訂 第3巻161P】

設問のとおりです。

そのほかにも、口渇、排尿困難などの副作用が現れる場合もありますので、ご本人、御家族のみならず支援に関わる人にも服薬についての十分な知識と配慮が必要となります。

【解答】1,3,5

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