介護支援専門員、ケアマネ

第13回 問題60

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【問題60】「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下「高齢者虐待防止法」という。)について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 高齢者虐待とは、養護者や養介護施設従事者等によって加えられた行為で、長時間の放置等養護を著しく怠ることも含まれる。

2 高齢者虐待防止法では、高齢者の虐待防止、虐待を受けた高齢者の保護及び養護者に対する支援について、都道府県が第一義的に責任を有する主体と位置付けている。

3 地域包括支援センターは、地域における高齢者虐待対応の中核機関の1つである。

4 養護者による虐待を受けた高齢者を保護するために、市町村は必要な居室を確保するための措置をとる。

5 養介護施設等から虐待の通報を受けた市町村長又は都道府県知事は、原則として、家庭裁判所の指示に従って権限を行使する。

【用語解説】

●地域包括支援センター
地域包括支援センターは、公正・中立な立場から、
(1)総合相談支援
(2)虐待の早期発見・防止などの権利擁護
(3)包括的・継続的ケアマネジメント支援
(4)介護予防ケアマネジメント
という4つの機能を担う地域の中核機関です。

運営主体:市町村、在宅介護支援センターの運営法人(社会福祉法人、医療法人等)その他市町村から委託を受けた法人
職員体制:保健師(又は地域ケアに経験のある看護師)、主任介護支援専門員、社会福祉士の3つの専門職種又はこれらに準ずる者

【解説】

問題 60【易しい問題】

福祉分野出題範囲において、公的サービスおよびその他の社会資源導入論があげられます。高齢者虐待防止法も、高齢者等の権利擁護に関するものとして過去の本試験でも、18年、問題57、20年、問題59、21年、問題60に出題されています。

まずは、この法律の目的をご確認いただきましょう。

『高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律』

第一条 目的この法律は、高齢者に対する虐待が深刻な状況にあり、高齢者の尊厳の保持にとって高齢者に対する虐待を防止することが極めて重要であること等にかんがみ、高齢者虐待の防止等に関する国等の責務、高齢者虐待を受けた高齢者に対する保護のための措置、養護者の負担軽減を図ること等の養護者に対する養護者による高齢者虐待の防止に資する支援のための措置等を定めることにより、高齢者虐待の防止、養護者に対する支援等に関する施策を促進し、もって高齢者の権利利益の擁護に資することを目的とする。

【高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律】が、決して虐待を行う者を取り締まるための法律ではないことに、気づかされますね。

1○ 【5訂 第4巻989P】

設問のとおりです。

2× 【5訂 第3巻374P】

明らかになった虐待問題に具体的な介入などの支援活動等を行うにあたって、高齢者虐待防止法においては、高齢者の虐待防止、虐待を受けた高齢者の保護、および養護者に対する支援について、【市町村】が第一義的に責任を有する主体と位置づけています。

3○ 【5訂 第3巻374P】

設問のとおりです。

4○ 【5訂 第3巻377P】

設問のとおりです。

5× 【5訂 第3巻378P】

20年、問題59において、引っ掛け問題として家庭裁判所が使われていましたが、今回も似たタイプの仕上がりですね。虐待の通報を受けた市町村長または都道府県知事は、その責務において速やかな措置を講じることになります。家庭裁判所の指示をあおぐという規定はありません。

★  福祉分野15問の解答、ほんとうに御疲れ様でした。超・多忙な日々を送る皆さまにとって、学習時間やそのためのエネルギーの捻出は言い表せないくらい大変なことだったと思います。本試験60問のなかで、気になる部分、まだまだ十分に御自分の知識となっていない部分がもしもあれば【冬休みの課題】として、すこしづつ理解を深めてみてくださいね。たくさんの経験を重ねてこられた皆さまだからこそ、これらの知識が重みのある素晴らしいものになるのですから。

【解答】1,3,4

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