第13回 問題58
【問題58】生活保護制度について、正しいものはどれか。3つ選べ。
1 生活保護の補足性の原理により、介護扶助よりも介護保険の保険給付が優先して給付される。
2 すべての被保護者に対する要介護認定は、介護扶助の要否判定の一環として生活保護制度で独自に行う。
3 被保護者の介護保険の保険料については、介護扶助から給付が行われる。
4 介護保険施設に入所している被保護者の日常生活費については、生活扶助から給付が行われる。
5 介護扶助の給付方法は、原則として現物給付により行われるが、住宅改修については金銭給付により行われる。
【用語解説】
●生活保護制度
資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する方に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度。
●扶助
社会保障制度の一環として、児童・高齢者・障害者・生活困窮者などに対して国や地方公共団体が行う支援。
【解説】
問題 58【合否を分けそうな問題】
福祉分野出題範囲における高齢者支援展開論(社会資源活用論)の1つとして、生活保護制度があげられます。
生活保護法は、日本国憲法第25条に規定する、『生存権の保障』の理念に基づき、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに自立を助長する制度です。ところで、現在、どのくらいの方が保護をうけておられるのでしょう・・・。
10月20日の時事通信社の生活保護関連記事から一部抜粋してみましたのでご参照ください。生活保護受給世帯が2009年度に月平均で127万4231世帯にのぼり、9年連続で最多を更新したことが20日、厚生労働省の福祉行政報告例結果で分かった。前年度より12万5465世帯(10・9パーセント増)と大幅に増えており、同省はリーマンショック以降の不況で失業した現役世代の申請が急増したとみている。過去の本試験においても、17年、問題59、18年、問題59、19年、問題57、20年、問題57、21年、問題59と連続しての出題となっています。14回本試験においても、ほぼ100パーセントの確率で出題が予想されます。
1○ 【5訂 第3巻353P】
設問のとおりです。
2× 【5訂 第3巻362P】
昨年の本試験、問題59の設問1においても、同じ内容が問われていましたね。介護扶助は、介護保険制度の対象となるサービスと同等のサービスを生活保護を受けている方に保障することになります。そのため、要保護者が介護扶助の利用を希望する場合には、一般の被保険者と同様に要介護認定を受けて、要介護状態区分に応じた介護扶助を受ける仕組みになっています。ただし、被保険者以外の者については、その要介護認定を介護扶助の要否判定の一環として、生活保護制度で独自に行うこととされます。
オンライン模試でも何度も登場しましたので得点に結びつけていただけたとおもいます。
3× 【5訂 第3巻360P】
17年および18年本試験でも、生活保護受給者の保険料に関する出題がみられます。ここで、ご紹介してみましょう。
☆ 生活保護受給者である第1号被保険者の保険料は、介護扶助の対象となる。(×)
(17年、問題59)
☆ 生活保護を受給する介護保険の被保険者は保険料の支払いが免除される。(×)
(18年、問題59)
生活保護受給者 イコール 介護保険料免除 ではありません。生活保護を受けておられていても、【生活扶助から介護保険の保険料を支払う】仕組みとなっていることの理解が必要です。
4○ 【5訂 第3巻360P】
設問のとおりです。
5○ 【5訂 第3巻360P】
設問のとおりです。
【解答】1,4,5