介護支援専門員、ケアマネ

第13回 問題7

01-green

【問題7】介護保険の利用者負担に係る低所得者対策について正しいものはどれか。3つ選べ。

1 高額介護サービス費は、所得段階別に負担上限額が設定されており、低所得者の負担軽減が図られている。

2 市町村民税本人非課税者は、特定入所者介護サービス費の支給対象とならない。

3 短期入所療養介護は、特定入所者介護サービス費の対象となる。

4 社会福祉法人等による利用者負担額軽減制度の軽減対象は、介護費の1割分の利用者負担並びに食費、居住費(滞在費)及び宿泊費である。

5 社会福祉法人等による利用者負担額軽減制度の対象となるサービスには、訪問看護も含まれる。

【用語解説】

●高額介護サービス費
公的介護保険を利用し、自己負担1割の合計の額が、同じ月に一定の上限を超えたとき、申請をすると「高額介護サービス費」として払い戻される制度。
国の制度に基づき各市区町村が実施するもので、お住まいの市区町村によって条件や金額が異なる。

通常は、老齢福祉年金受給の方や生活保護を受給している人は上限も低く設定されるなど、個人の所得や世帯の所得に対して上限が異なる。

●市町村民税本人非課税者
所得が少ない等の理由により市町村民税が非課税となる者。(同一の世帯員には課税あり)
世帯に属する全員が非課税の場合は、市町村民税世帯非課税という。

●特定入所者介護サービス費
市民税非課税世帯の要介護者が介護保険施設に入所(入院)したときやショートステイを利用したとき、食費・居住費(滞在費)の利用者負担は、所得に応じた一定額(負担限度額)となり、負担の軽減が図らる。
対象となる介護サービス・介護予防サービス
介護老人福祉施設,介護老人保健施設,介護療養型医療施設,地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護,短期入所生活介護,短期入所療養介護

※通所介護,通所リハビリテーション,認知症対応型通所介護は対象となりません。

●短期入所療養介護
利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、自宅にこもりきりの利用者の孤立感の解消や心身機能の維持回復だけでなく、家族の介護の負担軽減などを目的として実施します。
医療機関や介護老人保健施設などが、常に療養が必要な方の短期間の入所を受け入れ、入浴や食事などの日常生活上の支援や、機能訓練などを提供します。

●社会福祉法人
社会福祉法人が行う事業
社会福祉事業のほか、公益事業及び収益事業を行うことができます。
・公益事業とは
社会福祉と関係のある公益を目的とする事業です。
社会福祉事業の円滑な遂行を妨げるおそれがあってはなりません。
公益事業の剰余金は社会福祉事業又は公益事業に充てなければなりません。
(例)
介護老人保健施設(無料低額老人保健施設利用事業を除く。)の経営、有料老人ホームの経営

・収益事業とは
その収益を社会福祉事業又は一定の公益事業に充てることを目的とする事業です。
社会福祉事業の円滑な遂行を妨げるおそれがあってはなりません。
事業の種類に特別の制限はありませんが、法人の社会的信用を傷つけるおそれがあるものや投機的なものは適当ではありません。
(例)
貸ビルの経営、駐車場の経営、公共的な施設内の売店の経営

【解説】 

問題 7【難しい問題】

 利用者の自己負担関連も問題になります。ここは、試験に出る、出ない関係なくしっかり学習しておくと、現場で困っている利用者様を支援することができる場合もあります。

現場で困ること

【経済的理由により、必要な介護サービスが受けられない】という場合は、経済的負担を軽減する仕組みを知っていれば、的確なご提案ができ、必要なサービス利用が可能となるでしょう。(状況や利用者様の条件にもよります。)

 1○ 【5訂 第1巻103~104P】

設問のとおりです。

具体的に高額介護サービス費等の所得区分は、生活保護の被保護者、市町村民税被課税、等があります。

 2× 【5訂 第1巻104P】

支給対象となります。

市民税非課税世帯の要介護者が介護保険3施設に入所(入院)したときやショートステイを利用したとき、食費・居住費(滞在費)の利用者負担は、所得に応じた一定額(負担限度額)となり、負担の軽減が図られます。

3○ 【5訂 第1巻104P】

設問のとおりです。

4○ 【5訂 第1巻108P】

設問のとおりです。

社会福祉法人だけが優遇されているので、民間の会社は競争力がなくなります。東京都では独自に生計困難者に対する利用者負担額軽減事業をおこない、自己負担の軽減措置をとっています。みなさまのお住まいの地域で、自治体が負担軽減しているかどうか調べてみましょう。

5× 【5訂 第1巻108P】

対象サービスは、福祉系のサービスになり、医療系のサービスは対象となりません。

よって訪問看護は×になります。踏み込んだ学習をしていないと正答しにくい問題でしょう。

  • 訪問介護
  • 通所介護
  • 短期入所生活介護
  • 夜間対応型訪問介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 特別養護老人ホーム
  • 地域密着型特別養護老人ホーム等

注:それぞれ介護予防サービスを含む。

【解答】1,3,4

01-green

このページの先頭へ