第12回 問題28
【問題28】高齢者に多く見られる疾病とその病態や症状との組合せについて、より適切なものはどれか。3つ選べ。
1 パーキンソン病—歩行障害
2 脊髄小脳変性症—骨格筋の急速な筋力低下
3 大腿動脈の閉塞性動脈硬化症—-間欠性跛行
4 肺結核—呼気延長
5 関節リウマチ—朝の手のこわばり
【用語解説】
●パーキンソン病
脳が出す運動の指令が筋肉にうまく伝わらず、なめらかな動作ができなくなってしまう病気。これは、脳の黒質という部分の神経細胞が減ってしまうのが原因です。この神経細胞は「ドパミン」という神経伝達物質を作り、「ドパミン」を使って体を動かす機能を調節する働きをしています。黒質の神経細胞が減るとドパミンも減ってしまうために運動の情報が伝わらず、様々な症状が出てきます。
●脊髄小脳変性症
歩行時のふらつきや、手の震え、ろれつが回らない等を症状とする神経の病気です。動かすことは出来るのに、上手に動かすことが出来ないという症状。主に小脳という、後頭部の下側にある脳の一部が病気になったときに現れる症状です。この症状を総称して、運動失調症状と呼びます。この様な症状をきたす病気の中で、その原因が、腫瘍(癌)、血管障害(脳梗塞、脳出血)、炎症(小脳炎、多発性硬化症)、栄養障害ではない病気について、昔は、原因が不明な病気の一群として、変性症と総称した。病気によっては病気の場所が脊髄にも広がることがあるので、脊髄小脳変性症という。
脊髄小脳変性症は一つの病気ではなく、いろいろな原因でおこる、この運動失調症状をきたす変性による病気の総称。よって、その病気の原因も多岐に及ぶ。
●大腿動脈(だいたいどうみゃく)
脚の付け根や太ももにある動脈
●閉塞性動脈硬化症
足の血管の動脈硬化がすすみ、血管が細くなったり、つまったりして、充分な血流が保てなくなる病気。そのため、血液の流れが悪くなり、歩行時に足のしびれ、痛み、冷たさを感じる。さらに進行すると、安静時にも症状が現れることがある。
●間欠性跛行(かんけつせいはこう)
しばらく歩くと足に痛みやしびれを生じ、少し休むとまた歩けるようになる症状のこと。
●肺結核
結核菌という細菌を原因とした感染症。結核菌が体内に入り、肺で増殖する。
飛沫感染により、肺結核を患っている方のせきやくしゃみなどから排出された結核菌を吸い込んでしまい、肺にまで菌が及ぶと、感染する。
免疫によって結核菌の活動は停止するが、死滅せず、そのまま体内にとどまるケースが多くある。この、体内に残った結核菌は、身体の免疫力が低下すると、再び活発化し、肺結核を発症させてしまうことがある。これを既感染発病という。
免疫力が低下してしまう疾患がある方や、お年寄りなどは注意が必要。とくにお年寄りは、若い頃に感染していることが多く、その菌が再び活発化してしまうことも少なくない。
●呼気延長
気道狭窄で速やかに呼気できず呼気時間が延長する。
●関節リウマチ
免疫の異常により関節の腫れや痛みを生じ、それが続くと関節の変形をきたす病気。
【解説】
【解答】1,3,5