A. 居宅サービス共通 (運営)5
[Q]
ケア付き住宅、宅老所等と称しながらも、一室に多数の高齢者を収容し、或いは極めて狭隘な個室に高齢者を収容した上で、同一施設内や近隣に設置した指定訪問介護事業所等から居宅サービスを提供している事例があるが、このようなサービスの形態も介護保険の対象として認められるものなのか。
[A]
介護保険法においては、「訪問介護」を始めとする居宅サービスは、「居宅」と「軽費老人ホーム、有料老人ホームその他の厚生労働省令で定める施設における居室」において行われることとされ、これらにおいて指定居宅サービスを受けた費用について保険給付が行われることとなる。
※ 「厚生労働省令で定める施設」は、軽費老人ホーム及び有料老人ホームとする。 (介護保険法施行規則第4条)
2 ここで省令で定める施設を居宅に含めている趣旨は、いわゆる施設に相当する場所に所在する要介護者等についても、居宅に準ずるものとして一定の水準にある施設に居住する場合には、通常の居宅と同様に保険給付の対象とすることを目的とするものである。
3 即ち、「居宅」の範囲については、特段の数値基準等による定義を置いていないものの、法文上、当然に社会通念上の居宅を指すものであり、実質的に「施設」に該当するものについては、居宅に含まれる施設として省令で定められた軽賓老人ホームと有料老人ホームを除き、「居宅」に含まれないこととなる。
4 従って、いわゆるケア付き住宅等と設置者が称するものであっても、どのような生活空間か、どのような者を対象としているか、どのようにサービスが提供されているか、などといった観点も踏まえつつ総合的に判断して、「施設」としての実態を有していると認められる場合には、上述の省令で規定する施設に含まれないものである以上、介護保険でいう居宅サービスには当たらず、居宅介護サービス費の支払対象外となる。