第13回 問題8
【問題8】指定サービス提供事業者に対する市町村の業務として介護保険法上正しいものはどれか。3つ選べ。
1 居宅介護支援事業者に対する勧告
2 地域密着型サービス事業者の指定の取消し
3 居宅介護サービス費の支給に関して必要があると認めるときの事業所への立入検査
4 複数の市町村を事業区域とする地域密着型サービス事業者に対する指導・監督の都道府県知事への委任
5 保険給付に係る居宅介護支援を行った居宅介護支援事業者が人員・運営基準に違反したと認めるときの都道府県知事への通知
【用語解説】
●居宅介護支援事業
・要介護認定申請の受付、申請書の提出
・介護認定調査の実施
・指定居宅介護サービス事業所、介護保健施設の紹介、福祉用具貸与、
・介護保険対象外サービスの紹介、その他の指定介護保険サービス
・提供事業所との連絡調整
・居宅介護サービス計画作成、サービス担当者会議で要介護者が
・受けるサービスの検討
・サービス計画にもとづいたサービス提供の管理
・サービスの再評価とサービス計画の練り直し
などを行い、居宅で医療、福祉サービスを適正に受けられるよう関係各所と調整を行う。
●地域密着型サービス事業
能な限り住み慣れた地域で生活が継続できるように、様々なサービスを適時・適切に提供するサービス体系です。具体的には以下の、「小規模多機能型居宅介護」、「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」、「夜間対応型訪問介護」、「認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)」、「認知症対応型通所介護」などのサービスがあります。
【解説】
問題 8【合否を分けそうな問題】
「指定サービス提供事業者」という言葉の意味、定義が分かりかねるので、解答しにくいです。
最大限、好意的に解釈して解説を書きます。
市町村が指定・指定の更新・監督を行う事業者は下記になります。
【指定介護予防支援事業者・指定地域密着型サービス事業者・指定地域密着型介護予防サービス事業者】
1× 【5訂 第1巻P】
居宅介護支援事業者への指導・監督は都道府県の役割になります。
2○ 【5訂 第1巻P】
設問のとおりです。
3○ 【5訂 第1巻P】
法改正前は、市町村は、立ち入り検査はできませんでしたが、法改正により、指定権限者でなくても保険者(市町村)が立ち入り検査できるように修正された経緯があります。
4× 【5訂 第4巻63P】
【法第115条の32 業務管理体制の整備】21年5月にできたルールをしっていないと解答しにくいです。
都道府県知事への委任という部分が間違いです。【密接な連携をとる】が正解になります。
すごく細かい、初登場の問題です。意図的に問題の難易度を上げるために作成された選択肢です。問題作成者は、会心の問題として作ったと思っているでしょうが、問題8自体が不適切問題となれば、「策に溺れる」というところでしょうか。海外なら訴訟問題になるでしょう。
5○ 【5訂 第1巻P】
介護保険法第83条5に記載のとおりです。
介護保険法上「指定サービス提供事業者」という文言はありません。確認のため内閣法制局
(法律関係のスーパーエリートがいる国の機関)に問い合わせをしましたが、法律上にこの言葉はありません。存在しません。という返答をいただいております。
公的試験に法律上、認知されていない言葉を問うことは、適当ではないということは、一般常識から誰もがわかることでしょう。
「指定サービス提供事業者」の定義であるとか、範囲とか、いつ、どこで誰が決めたものか不明です。問題を作成された機関が独自に定義付けしたものであれば、きちんとした説明をすべきでしょう。
例を挙げます。特定福祉用具販売事業者は、【指定サービス提供事業者】にあてはまるのかあてはまらないのか?わかる方おられますか?
解釈で、サービス提供責任者がいる、指定を受けた事業者?と解釈する方もいるでしょう。
昨年12回試験の問題21で、法令と照らし合わせをしていなくて、追加合格を出しています。
合格オンラインでは、試験発表前に合理的に解説をしており、多くの受験生から高い評価をいただいております。
今回もまた、法令とすり合わせもしないで問題作成したことは、懲りていない、何の対策もしていない、といわれてもいたしかたないでしょう。
問題8についても、試験問題作成機関は然るべき対応するのか、もみ消すのか、その姿勢が問われるでしょう。【問題8関連資料(第13回) 参照】
【解答】2,3,5