介護支援専門員、ケアマネ

第14回 問題39

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【問題39】次の記述のうち適切なものはどれか。3つ選べ。

1 指定訪問看護ステーションにあっては、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士も訪問看護サービスに携わることができる。

2 指定訪問看護事業者は、看護師等に、その同居家族である利用者に対して指定訪問看護を提供させることができる。

3 利用者やその家族等の同意を得て、利用者の身体的理由により同時に2人の看護師によって訪問看護を提供した場合には、「複数名訪問加算」が算定できる。

4 認知症対応型グループホームの利用者は、医療保険による訪問看護を利用することはできない。

5 訪問看護を利用している者の病状が急激に悪化し、主治医が特別指示書を交付した場合には、2週間に限り、毎日、訪問看護を利用することができる。

【用語解説】

●指定訪問看護ステーション
訪問看護は医療機関所属の看護師等を派遣して行う場合と、訪問看護ステ-ションから看護師等を派遣して行う場合がある。介護保険法においては、訪問看護事業を行う病院・診療所以外の指定訪問看護事業所のことであるが、健康保険法にもとづき都道府県知事の指定を受ける医療保健適用の訪問看護を行う事業所も同じ名称で呼ばれる
利用対象者は、その主治医が訪問看護の必要性を認めたものに限られる。要介護者、要支援者に対する訪問看護は介護保険から給付されますが、急性増悪期等、末期の悪性腫瘍その他厚生労働大臣が定める疾病等の患者に対する訪問看護は医療保険から給付されます。介護保険の事業者としてサービスを提供するためには、都道府県知事から事業者指定を受けることが必要です。ただし、病院、診療所は、介護保険法第71条第1項により、保険医療機関である場合は、介護保険の指定事業所としてみなされます(みなし規定)。

●理学療法士
ケガや病気などで身体に障害のある人や障害の発生が予測される人に対して、基本動作能力(座る、立つ、歩くなど)の回復や維持、および障害の悪化の予防を目的に、運動療法や物理療法(温熱、電気等の物理的手段を治療目的に利用するもの)などを用いて、自立した日常生活が送れるよう支援する医学的リハビリテーションの専門職です。治療や支援の内容については、理学療法士が対象者ひとりひとりについて医学的・社会的視点から身体能力や生活環境等を十分に評価し、それぞれの目標に向けて適切なプログラムを作成します。

●作業療法士
医師の指示のもとに、心身に障害がある人に対して、手芸・工作などのなどの「作業」を通じて、社会に適応できる能力の回復を図る。作業療法士とは「厚生大臣の免許を受けて、作業療法士の名称を用いて、医師の指示の下に作業療法を行うことを業とする者をいう」

●言語聴覚士
言語聴覚士はことばや聞こえなどのコミュニケーション機能に問題がある方、食べること・飲み込むことに問題がある方に対して専門的なサービスを提供し、支援する専門職です。

●複数名訪問加算
複数名訪問看護加算に係る厚生労働大臣が定める同時に複数の看護師等による指定訪問看護が必要な者

一人の看護師等による指定訪問看護が困難な利用者であって、次のいずれかに該当するもの

(1)特掲診療料の施設基準等に掲げる疾病等の者
(末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、重症筋無力症、スモン、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、進行性筋ジストロフィー症、パーキンソン病関連疾患、(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る。))、多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)、プリオン病、亜急性硬化性全脳炎、ライソゾーム病、副腎白質ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、後天性免疫不全症候群、頸髄損傷、人工呼吸器を使用している状態))

(2)特別訪問看護指示書に係る指定訪問看護を受けている者

(3)特掲診療料の施設基準等の次に掲げる者
一 在宅悪性腫瘍患者指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者
二 在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理又は在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態にある者
三 人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者
四 真皮を越える褥瘡の状態にある者
五 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

(4)暴力行為、著しい迷惑行為、器物破損行為等が認められる者

(5)その他利用者の状況等から判断して、(1)から(4)までのいずれかに準ずると認められる者(看護補助者の場合に限る。)

【解説】

問題 39【合否のカギをにぎる問題】

医療分野における近年の出題傾向は、年度により医療系サービスの出題数にばらつきがあることといえます。支援分野の合格基準点が低めの年は、医療分野でふるいにかける傾向となるため得点しにくい問題が増える可能性も。医療系サービスの人員基準、設備基準、運営基準の学習を地道に続けた受験生さんに、大きな御褒美が待っているのではと予想いたします。

1○ 【5訂 第2巻93-94P】

設問のとおりです。

病院や診療所で働く看護師さんは知っていても、家庭で訪問看護に関わる看護師さんと実際に対応したことのない受験生さんも多いと思います。どのようなかたが、訪問看護の利用対象となるのでしょう?? 実はとても多岐にわたります。以下がめやすとなりますので御参照ください。

◇  予防的ケアを必要とする虚弱高齢者

◇  リハビリテーションや健康的な生活の保持を必要とする高齢者

◇  ターミナルケアを必要とする高齢者

◆  循環器の疾患(脳血管障害後遺症、心疾患など)

◆  神経系の疾患(パーキンソン病、その他の難病)

◆  呼吸器系の疾患(慢性気管支炎などのより在宅酸素療法を行っている者)

◆  骨関節の疾患(関節リウマチ、変形性脊椎症など)

◆  精神および行動の障害(認知症、統合失調症など)

◆  悪性新生物

◆  その他の慢性疾患

2× 【5訂 第4巻355P】

訪問看護における運営基準の中に、このような規定が設けられています。

【同居家族に対する訪問看護の禁止】指定訪問看護事業者は、看護師等にその同居の家族である利用者に対する指定訪問看護の提供をさせてはならない。

3○ 【5訂 第4巻766-767P】

設問のとおりです。

2009年の報酬改定により、訪問看護サービスにおいても新しい加算がいくつも設けられています。【加算】とは、わかりやすく言えば、【プラスアルファ】の料金のことですね。規定の要件を満たした場合に、追加料金の請求が認められると御理解いただけばわかりやすいと思います。複数名の手が必要だったり、長時間が必要だったりとケースによっては基本の訪問では難しい場合もあることから、算定要件と報酬が新設されたのですね。

4× 【5訂 第2巻303P 第4巻645】

1人の利用者さんに、いくつもの制度や法律が関わることは、ごく自然なことでもあります。介護保険制度下でグループホームに入所していても、怪我やご病気をすることは当然にあるでしょう。医療保険を利用して診察を受けたり、あるいは必要に応じて入院治療を受けることも可能です。

5○ 【5訂 第2巻76P】

設問のとおりです。

【解答】1,3,5

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